過去ログ - ビッチ
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848:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/16(水) 23:09:10.69 ID:by+6rqHIo

 そんな唯だったから僕と理恵の再会にはすごく食いついてきた。

「麻季と僕のことが気になるのかなあ。離婚調停中だって言ったら明日会おうと言われた
けど」

 それを聞いて唯は目を輝かせた。

「それ、理恵さん絶対お兄ちゃんに興味があるんだよ。明日は遅くなってもいいからうま
くやんなよ」

「いや。それおまえの思い過ごしだから。それに都内からここまで帰るのにどんだけ時間
かかると思っているんだ。終電だって早いのに」

 職場と実家とが距離的に離れていたことも、離婚協議中には不利な点としてカウントさ
れていたことだった。

「終電逃したらどっか泊まればいいじゃん。お兄ちゃんのマンションだってまだあるんだ
し」

「あそこには泊まりたくない。というかそんなことするよりは奈緒人と奈緒と一緒にいた
いよ」

「まあそうだろうね」
 少し反省したように唯が言った。「お兄ちゃんは奈緒人と奈緒が大好きだもんね」

「うん」

「・・・・・・お兄ちゃん、本当に麻季さんには未練ないの?」

「多分、ないと思うよ」

「じゃあ、ほんの少しだけでも子どもたちのことは忘れて女性とお付き合いしてみな
よ」

「離婚調停中なんだぞ。そんな気にはなれないよ」

「大丈夫だって。お互いに離婚を申し出た後なら誰とお付き合いしたって不貞行為で有責
にはならないから」

 法学部にいる唯が小ざかしいことを言い出した。

「そんなこと言ってんじゃないよ。モラルの問題だ」

「それにさ。お兄ちゃんにもし次の伴侶が見つかったら、養育の面で調停で有利かもよ」

「そんなことを考えてまで女性と付き合いたくはないよ。第一そんなの相手に失礼だ」

「・・・・・・じゃあどうするのよ。別にあたしが内定辞退して奈緒人と奈緒のお母さん代わり
をしてあげてもいいけど」

「それはだめ。父さんに殺される。それに唯には唯の人生があるんだし」

「あたしは別にそれでもいいんだけどな」

「おい・・・・・・ふざけんなよ」

「別にふざけてないよ。でもそうしたら収入がないからお兄ちゃんに養ってもらうしかな
くなるけどね」

「だめ」

「冗談だよ」

 妹が笑って言った。


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