過去ログ - ビッチ
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880:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/25(金) 23:25:40.22 ID:7rNmoFO0o

 その後の展開は早かった。僕は久し振りに会う理恵のご両親に挨拶に行った。お嬢さん
と結婚させてくださいとか言わせてもらうことすらできず、久し振りねえとか元気だった
かとか理恵の両親から僕は言葉をかけられた。本当に懐かしく思ってくれていたみたいだ
った。質問攻めに懐かしいながらも当惑していた僕を見かねて、僕と理恵の結婚には賛成
だよね? って両親に対して言い出して僕たちを救ってくれたのが玲子ちゃんだった。

 理恵と幼馴染だった頃にはまだ彼女は生まれていなかったので、僕と玲子ちゃんは顔を
合わせるのは初めてだった。

「結城さんはお姉ちゃんと結婚したいんだって。ちゃんと答えてあげなよ」

 当時大学生だった玲子ちゃんはそう言ってくれた。

「そんなのOKに決まってるだろ」

「そうよ。結城さんのご両親とはもうこのことは打ち合わせ済みなのよ」

 理恵の両親がそう言った。どうやら僕が自分の両親に理恵との結婚を話す前から、僕の
両親にはその事実が伝わっていたようだった。犯人は一人しかいない。唯だ。そして唯と
玲子ちゃんも仲がいいらしい。僕と理恵の結婚はお互いの妹たちによって根回しされてい
たのだった。

 このとき玲子ちゃんは奈緒と同じくらいの年齢の女の子を抱っこしていた。

「ほら有希。あなたの新しいパパだよ」

 玲子ちゃんがからかうように言った。

「玲子!」

 顔を赤くしながら理恵が玲子をたしなめた。

 翌週、僕は理恵を連れて自分の実家に戻った。

 予想したとおり理恵の実家を訪れたのとほぼ同じような展開が僕たちを待ち受けていた。
事前に唯が根回しをしてくれていたせいで、僕の両親は僕と理恵の結婚に関しては良いも
悪いもなく既定事項のように受け止めたうえで理恵を歓迎してくれた。

「理恵さん、本当にこんな兄貴でいいんですか」

 唯が理恵をからかった。

「唯ちゃんこそごめんね。大好きなお兄ちゃんを奪っちゃって」

 理恵も動じなかった。

「・・・・・・何でそうなるんですか」

 理恵と唯は視線を合わせたかと思うと笑い出した。理恵の僕の実家への訪問で少しだけ
慌てたのは、奈緒人と奈緒と理恵が初顔合わせをしたときだった。

 唯がそれまで外に遊びに行っていた二人をリビングに連れてきた。理恵は奈緒人を微笑
んで見つめた。そしてその視線が奈緒に移ったとき、理恵は突然沈黙してしまった。


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