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92:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/09/06(木) 22:07:21.26 ID:04B86Ztno

 そう言えば兄友と女さんに誘われて放課後三人でファミレスに入ったことがあったな。

 僕は思い出した。ドリンクバーだけで二時間くらい粘ったっけ。ああいう店なら無難
なのかもしれない。僕はカフェに行くのを止めて駅前を探索することにした。お店の当
てすらないけど幸い時間だけは十分にあった。

 確か駅の自由通路を抜けた反対側が少し繁華街のようになっていたはずだった。

 僕はそちらの方に向けて駅の中を抜けて繁華街の方に行ってみた。幸いなことに西口
の方はお店だらけだった。駅前広場に沿ってファミレスが数軒。その他にもちょっとお
洒落そうなパスタ屋とかカフェとかも結構ある。そのほとんどが営業中だった。

 これなら大丈夫だ。この中のどこかのファミレスに入ればいいのだ。ようやく重荷を
下ろした僕はほっとして東口のカフェに入った。

 カフェで窓際の席に落ち着いた僕はさっき買った雑誌をめくる気がおきないまま、ぼ
んやりとレストランを探していたときのことを思い出していた。

 ピアノ教室までの道もそうだけど、初めて降りたこの駅の西口が繁華街だなんて僕は
どうしてあの時何の疑問も持たずに思いついたのだろう。早く店を決めたくて焦ってい
た僕はあの時は何も考えずに心の声に従って行動した。

 その結果、思ったとおり西口は繁華街で僕は探していた店を見つけることができた。

 覚えていないだけでやはりこの街に来たことがあるのか。それが一番妥当な回答だった。

 まあいいや。今はそんなことを考えるよりもっと考えなきゃいけないことがある。雑
誌なんて買う必要はなかったのだ。今日は期せずしてナオとデートできることになった
のだから、食事の後どうするのかも決めておかなければならない。よく考えれば時間を
つぶすとか言っている場合じゃなかった。

 とりあえずファミレスで食事をする。ドリンクバーも頼んで少し長居したいものだ。
それでナオとずっとお喋りするのだ。いつもなら僕の学校の最寄り駅まで三十分くらしか
一緒にいられない。感覚的にはあっという間に別れの時が来ているような感じだった。

 だから今日はナオさえよければずっと一緒に話をしていよう。

 その後は。

 ナオは何時までに家に帰らなければならないのだろうか。とりあえず遊園地とか動物
園とか水族館とかそういうのは時間的に無理だから、ファミレスを出た後はもう帰るし
かないかもしれない。

 でもナオさえよければ彼女を家の途中まで送っていくことはできるだろう。さすがに
家まで送るのは僕には敷居が高かったけど、駅までとかなら。

 そんなことを考えているうちにすぐに時間が経ってしまい、そろそろナオをピアノ教
室まで迎えに行く時間になっていた。


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