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928:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/02/05(火) 23:58:57.31 ID:eaEKmUkFo

「君が家を出て行ったのってさ」

 食欲は全くなかったけど無理に食べ物を口に運んでから僕は切り出した。

「うん」

 普通は緊迫する場面だと思うけどどういうわけか麻季は食事をする僕の様子をにこにこ
しながら見守っている。

「やっぱり僕とじゃなくて鈴木先輩と家庭を持ちたいと思ったからなんでしょ?」

「違うよ」
 あっさりと麻季は答えた。「大学で初めて博人君と出会ってから、あたしが本当に好き
なのは昔から今まであなただけよ。だからあたしが一緒に暮らしたいのもあなただけだ
よ」

「あのさあ」

「もちろん、一度は雄二さんと過ちを犯したのは事実だけど・・・・・・。でもあのときだって
本当に愛していたのは博人君だけ。あのときはそんなあたしを博人君は許してくれたよ
ね」

 もう麻季には未練の欠片もないはずなのに、麻季が先輩のことを雄二さんと呼んだこと
に少しだけ胸が痛んだようだった。

「だって再婚する予定なんだろ? 鈴木先輩と」

「うん。でも雄二さんと連絡を取り出したのは最近だよ。家を出て行ったときはメールさ
えしていなかったし。最近会うようになるまでは、彼と会ったのはあなたと二人で奈緒を
引き取りに行ったときが最後」

「それは変じゃない? 君は児童相談所や僕の実家に押しかけてきただろう。自分が見捨
てた子どもたちを返せってさ。そのときは男と一緒だったって聞いたんだけどな」

 いまさら彼女の心変わりなんか批判するつもりなんかなかったのに、僕は思わず麻季を
避難するような言葉を口にしてしまった。

「うん。でもそれ雄二さんじゃないから」

 麻季は落ちついて言った。

「・・・・・・誰なの」

「あなたと神山先輩が居酒屋でキスしてたときにあたしと一緒にいた人」

「どういう人なの」

「よくわからないの。どっかのお店で声をかけられただけだから。名前もよく覚えていな
い」

「・・・・・・手当たり次第ってわけか」

「そうかも。今は雄二さんだけだけど」

 麻季に真実を白状させようとした僕は、思わぬ彼女の話に自分の方が混乱してしまった。
家を出る前からか出た後かはわからないけど、麻季は複数の男と遊んでいたようだ。


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