967:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/02/11(月) 23:45:43.03 ID:ER1rVJ59o
怜菜の意図が知りたい。特に彼女がどれくらい博人に対して想いを残しているのか知り
たい。麻季はひとりでいるときはいつもそのことを考えるようになってしまった。同時に
博人の気持を試したいという欲求も徐々に彼女の心を支配するようになっていった。
先輩はメアド交換をして以来、しょっちゅうメールを送ってくるようになった。麻季の
方は当たり障りなくそれに返事をしていた。博人との馴れ初めが馴れ初めだったので、本
当は先輩とメールのやり取りなんかすべきではないことはわかっていた。でも怜菜の意図
を知りたいという欲求のことを考えると、ここで先輩との連絡を絶やすわけにはいかなか
った。
心の声はあれからもしつこく麻季に話しかけてきた。
『鈴木先輩に一回だけ抱かれてみな。試すだけなんだから裏切りにはならないよ』
『君が一回だけ先輩に抱かれたことがわかっても、きっと博人は君を許すよ。君はそれだ
け彼に愛されているんだから』
『怜菜は強敵だよ。彼女は控え目で可愛らしいけど芯は強い。今のうちに怜菜の目的を理
解して手を打っておくべきだよ』
『怜菜は旦那に浮気された被害者として博人に接触するでしょ。そしてお互いに伴侶の不
倫を慰めあっているうちに恋に落ちるなんていう筋書きを書いているんじゃないかな。怜
菜って旦那と親友のひどい仕打ちに耐え忍んでいる聖女とか天使とかっていうイメージじ
ゃん』
そんなとき先輩からメールが届いた。横フィルの次の定演で先輩がソリストとしてデビ
ューする。招待状を送るから来ないかという内容だった。
『行ってきなよ』
その声が静かに言った。『確かめてみたら?』
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