過去ログ - 千早「不器用な私と不器用なプロデューサー」
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109:投下[sage saga]
2013/01/21(月) 16:01:01.51 ID:gv+4GrYY0

「……でも、私がこのことを出版社や記者にリークするとは考えなかったの?」

 そう言って彼女は何かを取り出し、あからさまに見せつける。
 テント内の豆電灯では暗くて断定はできないが、形から見ておそらくはボイスレコーダー。
 こうして彼女はきっとまた私より優位に立ったつもりなのだろう。
 けど、

千早「考えません。……そんなことをしたら私はもちろんですが、彼も迷惑をこうむってしまいますから」

 逃げるわけにはいかない。負けるわけにはいかない。
 これから私は一人で羽ばたいていかないといけないのだから。

「あいつの迷惑になる行動なら私はしないとでも?」

千早「ええ」

「たいした自信ね。……何か理由でも?」

 この人は私に本気で相手をしていないのだ。
 私に対して本気で怒るはずもない。だから、後先考えない行動なんてしないだろう。
 そういう考えももちろんあった。だけどそれよりも、 

千早「あなたは嫌な人です。本当に、腹が立つほど。
   ……でも、一時の感情に任せて彼氏にとって不利益な行動をとるほど、愚かな人ではないでしょう?」

「? ……まあ、たしかにあの馬鹿『にも』不利益が生じるかもね」

 ここで私は歯車のズレを感じた。



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