22: ◆Oe72InN3/k
2012/09/06(木) 21:47:38.86 ID:mVZBQuHy0
と言って千反田に紅茶を渡すと、千反田は熱そうにそれを両手で往復させていた。
える「ええっと、お礼……というのは?」
奉太郎「昨日のお守り、飲み物一本で釣り合うとは思えんがな」
奉太郎「また今度、何か渡すよ」
そう言うと千反田はベンチに座りながら、答えた。
える「いえ、大丈夫ですよ。 お気持ちだけで」
俺は「そうか」と言い、千反田の横に座る。
公園の時計によると、現在は6時を少しまわった所だ。
ところで、この公園というのも随分と辺境な場所にあり、知っているのは好奇心旺盛な小学生くらいだろう。
……無論、俺が知っているのは里志に教えてもらったからだが。
神山市を朝日が照らす。
千反田がこちらを向き、嬉しそうに言う。
える「私、この景色が好きなんです」
える「朝早く起きたときは、いつもここに来ているんですよ」
そう言う千反田の瞳は、太陽の光が反射し、眩しかった。
奉太郎「そうか、俺は夜景が好きだな」
もっとも、朝日を見るのにここまでわざわざ来ることが無いというのが1番の理由だ。
奉太郎「でも、綺麗だなぁ」
える「はい、今度、夜景も見に来てみますね」
その後は少しだけ雑談をして、千反田は仕度があるので、と言って帰っていった。
まあ、女子ならば色々と準備に時間がかかるのだろう、良くは分からん。
俺もそのまま家に戻り、後は時間が来るまで、ぼーっとしていた。
ぼーっとしすぎて、集合時間に遅れそうになったのは笑えなかったが。
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