930: ◆Oe72InN3/k
2012/09/30(日) 13:42:06.58 ID:eVP4bQtW0
える「それでは、私のお話……聞いてくれますか」
ああ、とか、分かった、とか……肯定をとにかくしたくなかった。
しかし、それでも……聞かなくては、ならないだろう。
……そうだ、聞いてから答えればいい。
答えを、出せばいいだけの話じゃないだろうか?
ならまずは、聞かなければ。
奉太郎「……話してくれ」
俺がそう言うと、千反田はゆっくりと口を開いた。
える「まず、どこからお話すればいいんでしょう……」
それを俺に聞くか、全く本当に、千反田はどこまでも千反田だ。
奉太郎「最初からでいい、時間はあるだろ?」
える「ええ、大丈夫です。 最初からお話します」
そして千反田は一つ咳払いをし、再び口を開く。
える「まず、春の事です」
える「皆で遊園地に行った時……その時の事は覚えていますか?」
奉太郎「ああ、覚えている」
奉太郎「確か……泊まりで行ったな」
える「ええ、そうです」
える「そして私は、途中で帰ったのを覚えていますか」
奉太郎「……ああ」
あの時はそう、千反田が家の事情とやらで……一足先に帰った筈だ。
……そうか、あの時が始まりだったのか。
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