934: ◆Oe72InN3/k
2012/09/30(日) 13:44:44.70 ID:eVP4bQtW0
奉太郎「……」
千反田は、ちょくちょく俺の方を向くと笑顔になっていた。
それがどうしようも無く辛く見え、しかし俺には声を掛ける事さえできなかった。
そんな俺の思いには気づかず、千反田は続ける。
える「そして、思ったんです」
える「……折木さんに嫌われれば、後を濁さずに去れるのでは無いかと」
奉太郎「……それで、あんな事をしたのか」
える「はい、そうです」
える「でもそれは、間違いでした」
える「……私は弱いですから、意志の強さが」
える「折木さんの顔を見たら、嫌われるのが嫌になっちゃったんです」
とても、とても悲しそうに笑っていた。
俺は……俺には。
何も、出来ないのだろうか。
奉太郎「俺は!」
奉太郎「お前の事を嫌いになんて、絶対にならない!」
奉太郎「だから、だから……もっと楽しそうに、笑ってくれ」
える「……ふふ、ありがとうございます」
千反田は一度、紅茶を口に含んだ。
それをゆっくりと飲み込むと、話を続ける。
える「この間の、お返事がまだでしたね」
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