過去ログ - 姪「お兄ちゃんのこと、好きだよ?」男「……そう?
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599:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/11/24(土) 14:50:28.11 ID:sIBdVn+so

「このままだと死んでしまうの」

「誰が?」

「……わたしの叔父さん」

「病気か何か?」

 彼は訊ね返してから、思い直すように首を振った。

「悪いけど、そういうことなら手伝えることは何もない」

「そうじゃないの。そうじゃなくて……」

 わたしは上手く説明しようとしたけれど、口が思うように動かなかったし、考えも思うようにまとまらなかった。
 わたしはいったい彼に何を説明しようとしているんだろう。

 今日は八月三日。この世界のわたしは既に死んでいる。今のわたしは幽霊みたいなものだ。

「大きな流れみたいなものがあって、わたしはそこに飛び込んだの。その結果、何かを変えられるかもしれない」

 彼は怪訝そうに眉を寄せる。わたしは緊張した。

「抽象的だな。よく分からない」

 わたしが必死に言いつのったところで、伝わるのは言葉のうえの意味だけだ。
 
「その、何かを変える作業を、僕に手伝えってこと?」

「……そういうことになる、かも」

「僕は必要なの?」

 とケイくんは大真面目な顔で言った。わたしは口籠ってしまう。
 その一瞬の隙を彼は見逃さなかった。




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