過去ログ - 姪「お兄ちゃんのこと、好きだよ?」男「……そう?
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808:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/04(金) 10:06:57.43 ID:AaYHklSco

「いや。でも、もともとこの世界にいた人間はイケニエになることはできない」

「つまり、イケニエになれるのは、この場にいる僕を除いた三人と」

 それから、ケイ、もうひとりの僕。その五人だけか。お兄ちゃんは呟く。

「……でも、この魔法に巻き込まれたら、その世界に戻らなきゃいけないんだよね?」

「うん」

「だとしたら、結局"イケニエ"以外の人間も、別世界から来たら、元通りの未来に戻るんじゃないの?」

「うん。そうなんだけど……」

 魔法使いはそこで気まずそうな顔になった。

「イケニエ以外は、ちょっとズレる。時間が」

 わたしはなんだか落ち着かない気分になってくる。お兄ちゃんが言わんとしていることが分からない。

 わたしは、なんとなくお兄ちゃんの顔を見るのが怖かった。
 お兄ちゃんは男物の財布を拾い上げ、それを少女にわたした。魔女の表情が歪んだ気がする。
 わたしはその様子をじっと眺めていた。
 



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