過去ログ - 姪「お兄ちゃんのこと、好きだよ?」男「……そう?
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809:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/04(金) 10:07:23.40 ID:AaYHklSco




 そのあと起こったことを、わたしはよく覚えていない。
以下略



810:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/04(金) 10:08:00.83 ID:AaYHklSco

 わたしはふと目を覚ますとわたしの部屋にいた。"わたし"の部屋。
 祖父母の家の中に存在する"わたし"の世界の"わたし"の時間の"わたし"の部屋。

 時計の秒針が動く音が聞こえた。カチカチという音。窓から差すカーテン越しの朝の陽ざし。それは以前より柔らかに感じられる。
以下略



811:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/04(金) 10:08:42.46 ID:AaYHklSco

 わたしはベッドを這い出た。日めくりカレンダーは八月の上旬の日付を表している。
 祖母が起きたわたしを見て「体調はよくなった?」と言った。わたしはぼんやりとした頭のまま頷いた。

 何が起こったんだろう?
以下略



812:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/04(金) 10:09:18.35 ID:AaYHklSco


 わたしはとにかく生きている。そしてさっきまでの出来事は、きっと全部ただの夢でしかなかったのだろう。
 そう思うことがおそらく幸福であるということなのだ。

以下略



813:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/04(金) 10:10:00.80 ID:AaYHklSco

 死んだはずなのに、生きている。

 そういうこともあるんだなぁとわたしは思った。死んだのはきっと夢だったのだ。
 そのあとに起こったこともすべて夢だった。そう思わないと、理屈が成り立たない。
以下略



814:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/04(金) 10:10:43.26 ID:AaYHklSco

◇ 



以下略



815:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/04(金) 10:11:12.36 ID:AaYHklSco

「僕は姪がそばにいれば、他のことはどうだっていい」

 と僕は言った。これは魔女に向けた言葉だった。

以下略



816:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/04(金) 10:12:32.76 ID:AaYHklSco

 彼女が声を発した。

「どうして?」

以下略



817:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/04(金) 10:13:13.62 ID:AaYHklSco

 僕は床に寝転がる彼女の傍に屈みこみ、その手を取った。
 いやいやと首を振り、僕の顔を見ようとしない彼女に、僕はどうすることができるのだろうと考えた。

 僕は、未来の僕が姪に素っ気なくなった理由が理解できる気がした。
以下略



818:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/04(金) 10:13:42.41 ID:AaYHklSco

「でも、そんなの嬉しくないよ」

 姪は絞り出すように言った。掠れた声。

以下略



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