過去ログ - 姪「お兄ちゃんのこと、好きだよ?」男「……そう?
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819:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/04(金) 10:14:08.46 ID:AaYHklSco

「わたしは、こんな結果認めないよ。だから、このままだと、何度でも繰り返しちゃうよ。こんなのダメだよ」

「じゃあ、他にどうできるって言うんだ?」

 姪は押し黙った。結局僕らは無力なのだ。具体的に世界に対して働き掛ける能力を失っている。
 いつだってそうなのだ。僕らはただ起こったことを起こったままに受け入れる以外に手段を持たない。
 起こったことを受け入れられずに結果を変えようとするとおかしなことになってしまう。

「でも、こんなのはダメだよ」
 
 ダメなんだよ、と姪は言う。

「こんなのは、絶対に……」

 そのまま泣きじゃくる姪を、僕は立ち上がらせた。背中を向けると、しっかりと体を寄せてくる。その身体を背負う。
 雑多なガラクタの積まれた物置は未整理の頭の中みたいだった。扉を出る。迷わずに階段を下りた。
 何も考えなかった。

 階下に降りるとすべては終わっていた。誰もいなかった。だから僕には何が起こったのかは分からなかった。

 ただ、すべてが終わったのだとぼんやり思った。分からないことをいくつか残して。
 これでよかったわけじゃない。

 でも他にどうしようもなかった。少なくとも僕には。




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