過去ログ - 姪「お兄ちゃんのこと、好きだよ?」男「……そう?
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829:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/05(土) 15:04:39.56 ID:Y3rLkBTKo




 魔法の生贄になるということについて注釈が必要だろう。
 理不尽で不条理な魔法によって世界に分岐と結果を作り出した魔法使い。
 けれど彼女が魔法を行使するためには“願い”をもった人間が必要だった。

 その彼、あるいは彼女が“過去を変えたい”ないし別の分岐を作りたいと願うとき、魔法使いは魔法を発動させる。
 そして分岐を作りだし、彼あるいは彼女は生贄としてもとの世界に戻る。
 
 この構造は至ってシンプルだ。
 AとBという少年がじゃんけんをする。
 このとき一度Aは負けてしまうが、なんとか負けたという結果をなかったことにしたい。

 そこに魔法使いが現れ、Aをじゃんけんをする前の世界に移動させる。
 Aは負ける前の自分になんらかの形で変化を与え、じゃんけんで勝利させることが可能になる(かもしれない)。
 もし結果を変えられたにせよ変えられなかったにせよ、Aは自分が“負けた”世界に戻らなくてはならない。

 そして今回はその“A”こそが僕の友人である彼女だった。

 厄介なことに魔法使いは“死ぬ直前の彼女”に魔法を使った。
(つまり厳密には彼女は死ぬ前だったのだが、彼女はそのことを知らなかった。また、どうせ虫の息ではあった)

 つまりなんとか「じゃんけんに勝った未来」を彼女が作り出せたとしても、彼女は結局「死ぬ直前の世界」に戻らなければならなかった。
 
 ここに抜け道があった。




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