過去ログ - 姪「お兄ちゃんのこと、好きだよ?」男「……そう?
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837:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/05(土) 15:10:34.66 ID:Y3rLkBTKo

 それはおそらく、最後まで不鮮明だった魔女の思惑ともかかわりがあるのだろうが……。
 僕はなんとなく考えるのが怖くなった。

「もう行くよ」

 と僕は言った。それ以上話を聞くと、決意が鈍りそうだった。

「ごめんね」と魔法使いは謝った。

 僕の恐怖はより一層増した。
 でも僕は緑色の扉をくぐって元の世界に帰ることにした。
 生贄になるのは簡単だった。単にそう意識すればいい。
 
 それで終幕だった。

 僕がこれから帰る世界で、彼女は既に死んでいる。

 彼女の死はたしかな事実として逃れようもなく存在している。
 それは揺るぎようがない。僕が引き受けた。でもそれは本来なら全員が全員なりに引き受けなければならないものだった。
 結果は揺るがないことだ。それを妙な魔法に頼って忽せにするから――おかしなことになる。

 僕は元の世界に戻るが、それは自己犠牲なんかじゃない。
 それはごく当たり前のことなのだ。




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