過去ログ - 姪「お兄ちゃんのこと、好きだよ?」男「……そう?
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866:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/14(月) 13:55:33.18 ID:b6vBdGKEo

 あの少女に財布を渡さなければ、"D"から生き延びた自分が"E"を作ることができず、矛盾が発生すると思った。
 そうした矛盾を彼女なりに解消しようとした結果だったのかもしれない。

 だとするなら、彼はなぜもうひとりの叔父を励ましたのか。
 それは分からないけれど、彼女にとってそれは何かの儀式のようなものだったのかもしれない。
 
 彼女はひょっとしたら消えたがっていたんじゃないか。
 本当は自ら生贄になって、自分の選択を受け入れるつもりだったのではないか。
 そのつもりで、自らに対して無関心だった叔父を許し、励ましたのではないか。そんなことを思う。
 
 僕には、どうとも言えない。 

 僕は最後、自分が生贄になる前に、彼女と少し言葉を交わした。どんなことを言ったのかは思い出せない。 
 打ちひしがれたような彼女の後姿。僕はその背中にたしかに声を掛けたのだ。

 祈るような気持ちで。
 それはきっと彼女にとってなんの救いにもならないのだろうけど。

 叔父はなぜ、彼女を生贄にしようとしたのだろう。
 それに関しては分からないけれど、きっと生き延びてもどうしようもないと思ったからかもしれない。
 彼女が欲しがった物はすべて、手が届かない場所にあった。だからといって、それを判断するのは彼ではないと、僕は思うのだけれど。
 でも、今思えば、たしかに分からなくはないのだ。

 あんな悲しそうな顔をされたら。
 誰がそんな相手に、もう一度苦しめと言えるんだろう?
(僕はそう言ったのかもしれない)




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