過去ログ - 姪「お兄ちゃんのこと、好きだよ?」男「……そう?
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871:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/14(月) 13:58:20.54 ID:b6vBdGKEo




 これは携帯電話についての話ということになる。
 僕も、叔父も、魔法使いも、誰も、彼女のことは救えなかった。

"僕の世界の彼女は現に死んでしまっている"。
 僕は既にそのことを知っていた。あの日、彼女が窓から飛び降りた夜、そのことを聞かされたのだ。
 
 僕たちは結局まったく見当違いの場所に行って見当違いの喜劇を繰り返し、結果的に余計な悲劇を増やしてきただけだ。

 この手記の目的は起こったことを整理し、僕が魔女と彼女の代わりに生贄になった理由を探すためだった。
 
 僕はその理由をいまになって思い知っている。
 つまり僕は、この世界の彼女を救えないから、"代わりに"彼女たちを救いたかっただけなのだ。
 僕がしていることもまた代償行為に過ぎなかった。誰にも文句を言えないほどの。
 
 僕はそれが分かったからこそ悲しい。だとすれば僕は彼女のためにいったい何ができたんだろう?
 僕もまた、あのもうひとりの叔父のように、彼女に対して無関心であった男のひとりでしかなかったのではないか?
 



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