過去ログ - 奉太郎「38度9分か……」
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11: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:11:46.61 ID:La4hkDje0
こうして改めて思い返すと、顔から火が出そうです。多分今、わたしの顔は真っ赤でしょう。

える「その後は至って普通でした。そんなことがあったのに、わたしも折木さんも、何事もなかったかのように振舞いました。
  帰り際、折木さんが言いました。そのときの会話だけは、何故だかよく憶えています。
  『なあ、さっき花瓶が出てきただろ。あれに花でも活けたらどうだ?』
以下略



12: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:12:22.92 ID:La4hkDje0
摩耶花「ちーちゃんは、折木のことが好きなのね」

える「……」

……そう、なんでしょうか。いえ、そうなんでしょうね。
以下略



13: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:12:56.77 ID:La4hkDje0
える「おっ、お見苦じいところを、ひくっ、お見せしましたぁ」

摩耶花「ううん。ほら、涙拭いて」

そう言って、摩耶花さんは、ハンカチを差し出してくれました。
以下略



14: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:13:26.09 ID:La4hkDje0
わたしは、折木さんのことが、好きです。

昨日のことは、わたし、一生忘れないでしょう。そして、今日のことも。

摩耶花「……さてと、それじゃ、わたしそろそろ」
以下略



15: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:14:08.33 ID:La4hkDje0
その日の放課後、俺は図書室にいた。

といっても、特に用があったわけではない。何となく、古典部には足が向かなかったのだ。

……いや、何となくではないな。俺は自嘲気味に笑う。
以下略



16: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:14:35.96 ID:La4hkDje0
いや、でもそれは、俺の望むところではないのか?

今どき、キスひとつで、惚れた腫れたでもあるまい。

何より俺は、自分の信条として、省エネ主義を掲げている。その心は。
以下略



17: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:15:16.66 ID:La4hkDje0
俺はまた笑った。

俺は変わりたいのか? 何かを変えたかったのだろうか?

神山高校に入学して、俺は古典部に入り、千反田と出会った。
以下略



18: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:15:49.38 ID:La4hkDje0
顔を上げ、息を吐くと、里志と目が合った。

奴は、頭を掻き、ニコニコ笑みを浮かべて、近づいてくる。

こいつ、さては今まで、俺を観察していたな?
以下略



19: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:16:17.61 ID:La4hkDje0
里志「何だい? 千反田さんと何かあったのかい?」

ぐっ、鋭い奴め。

奉太郎「いや、何かってわけじゃない……」
以下略



20: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:17:02.19 ID:La4hkDje0
里志「そう言えば登校するとき、千反田さんを見かけたんだけど、手に花束を持っていたな。
  あれ、どうしたんだろう」

ああ、それはな、と言いかけたところで言葉を飲み込む。

以下略



21: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:17:40.93 ID:La4hkDje0
奉太郎「さて、どうするか……」

とは言ったが、答えはもう、決まっているようなものだった。

古典部に行こう。
以下略



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