20: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:17:02.19 ID:La4hkDje0
里志「そう言えば登校するとき、千反田さんを見かけたんだけど、手に花束を持っていたな。
あれ、どうしたんだろう」
ああ、それはな、と言いかけたところで言葉を飲み込む。
21: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:17:40.93 ID:La4hkDje0
奉太郎「さて、どうするか……」
とは言ったが、答えはもう、決まっているようなものだった。
古典部に行こう。
22: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:18:10.06 ID:La4hkDje0
趣味は強いて言えば、読書がそうだと言えるだろう。
テレビや映画は観るし、音楽だって聴く。
それに学校で、部活動にも入っている。
23: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:19:03.23 ID:La4hkDje0
俺が、いくら千反田とキスをしたいからといって、いくら会いたいからといって、千反田にその気があるとは限らない。
昨日は偶然そうなっただけだ。現に昨日の、その後の千反田の態度は、芳しいものではなかった。
あれは、俺と気まずくなるのを避けていたのだろうと思える。
24: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:19:32.32 ID:La4hkDje0
俺は百科事典を、元の棚に戻してくると、カバンを肩に掛けた。
確かに、千反田が俺の気持ちを受け入れてくれるなら、それはどんなにか嬉しいことだろう。
しかしそのためには、兎にも角にも、千反田に会わなければ始まらない。
25: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:20:15.10 ID:La4hkDje0
ガラガラ
部室のドアを開けると、千反田はそこにいた。
少しホッとする。
26: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:20:45.94 ID:La4hkDje0
なんだろう? と、少しいぶかしげに思うが、俺の目はそこで机の上の花瓶と、それに活けられた花に向く。
奉太郎「へえ、いいじゃないか」
える「えっ?」
27: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:21:29.21 ID:La4hkDje0
千反田は、顔を窓の外に向けたまま、答えた。
なんだ? やっぱり様子がおかしい。
……昨日のことを、気にしてるのか?
28: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:22:10.18 ID:La4hkDje0
千反田は、やはり顔を俺の方に向けることなく、答えた
……何てこった。
昨日あの後普通だったから、大丈夫だと思ってたのに。
29: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:22:49.06 ID:La4hkDje0
とりあえず、いつもの椅子に腰掛ける。
正直、どうしていいものか、分からなかった。
それにしても、千反田に冷たくされるのが、こんなに堪えるとは思わなかった。
30: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:23:28.35 ID:La4hkDje0
奉太郎「あ、あのな……」
ダメだ! 声が震えているのが自分でも分かる。
だが言わねば。
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