過去ログ - 異形使い「あなたを追ってここまで来た!」
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33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/09/17(月) 19:08:35.67 ID:P2NJ05Zwo

 賊はあの場所においてきても仲間が戻ってくれば助かっただろう。
 彼らが戻ってくる可能性は低くはないはずだった。

 それでもわざわざ連行したのは老人の言う通り、彼女のおせっかいだ。
 ラクリマというのがどういった人間だか知らないが、自分の情報をティナたちに引き渡した彼をそのままにしておく保証はない。
 危険な人物だった場合、賊が危なかった。

「まったく。そんなことじゃ先が思いやられるわい」
「なによ」
 思わず口調が女のものに戻る。
「わたしが悪いっての?」

「小娘は自分の心配だけをしておけばいいということさ」
「でも」
「お前さんは想い人の仇を討つんじゃろ。なら余計なことは考えるな。思い上がりも大概にしとけ」

 さらに反駁しかけるが、開いた口からは言葉が出ない。老人の言葉が正論だからだ。
 そのまま口を閉じる。声を男の口調に戻した。
「……分かったよ」

 視線を前方に戻すと、町が先ほどより近付いていた。



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