過去ログ - える「折木さんも…ご経験がおありなんですか?」奉太郎「」
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10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]
2012/09/16(日) 04:17:19.51 ID:2r6A/1tO0
 何でも、千反田と遠垣内は、家同士の繋がりがあるらしい。千反田の家は、神山市では有名な豪農で、名家の縁で年末に顔合わせをするのだそうだ。
 つまり、名家の御曹司である遠垣内は、豪農の令嬢である千反田に喫煙の事実を知られるわけにはいかないのだ。体裁的に悪いのだろう。
 まあもっとも、伊原には口は堅いかと念押しして、遠垣内のことを話したあの時、その場に千反田もいたのだ。しかし、千反田は見つかった文集に心奪われていて、全く会話を聞いていなかった。だから、知らないままならその方がいいだろうと思っていたのだ。
 俺は嘆息して、窓際から机まで椅子を戻す。さて、どう言い訳したものか。
 千反田はというと、俺の推論が開始されるとでも思っているのか、わくわくした笑顔で、俺の隣に腰掛けた。
 俺は唸った。この顔になった彼女を煙に巻くのは、エネルギーを多分に食ってしまう。
 俺のモットーは「やらなくてもいいことはやらない、やらなくてはならないことは手短に」である。いっそ、ありのままを千反田に告げるのが、最もエネルギー効率が良いかもしれない。
 駄目だ、と俺は思った。思いかえせば、一応、あれは契約のようなものだった。文集を手に入れるための交換条件だったのだ。俺が遠垣内との契約を一方的に反故にするのは躊躇われた。それに、俺はおそらく……、


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