33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2012/09/29(土) 09:49:15.98 ID:Sw3uTU+qo
グリップフックが扉を開けてくれた。杏子はずっと大理石が続くと思っていたので驚いた。
そこは松明に照らされた細い石造りの通路だった。急な傾斜が下の方に続き、床に小さな線路がついている。
グリップフックが口笛を吹くと、小さなトロッコがこちらに向かって元気よく線路を上がってきた。
三人は乗り込んだ……ハグリッドもなんとか納まった――発車。
迷路をトロッコはビュンビュン走った。杏子は道を覚えようとしたが諦めた。
とうてい無理だ。舵取りしてないのに、トロッコは行き先を知っているかのようにビュンビュン走っていく。
トロッコは更に深く潜っていった。地下湖のそばを通ると、巨大な鍾乳石と石筍が天井と床からせり出していた。
「アタシいつもわからなくなるんだけど」
トロッコの音に負けないよう、杏子はハグリッドに大声で呼びかけた。
「鍾乳石と石筍て、どうちがうんだ?」
「三文字と二文字の違いだろ。たのむ。今は何も聞いてくれるな。吐きそうだ」
確かに、ハグリッドは真っ青だ。小さな扉の前でトロッコはやっと止まり、
ハグリッドは降りたが、膝の震えの止まるまで通路の壁にもたれかかっていた。
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