46: ◆HvWr2kWl99Dz[sagesaga]
2012/10/03(水) 13:41:41.25 ID:KNNecZwLo
「やっと着いたわね」
その後の道中は比較的穏やかに、といってもどうにも緊迫した空気のままで帰路は進み
ようやく二人はマミの家へとたどり着く事ができた。
「ふぃー、歩き通しで疲れちゃったよ。勝手に邪魔させてもらうよー」
マミが鍵を開け、扉を開くや否や、アクアはその中へと飛び込んだ。
「はぁ、本当に落ち着かない子ね。ちょっと待って頂戴。お茶とケーキくらいは用意するから」
奥から帰ってきた、子供そのものの元気な返事。それに苦笑しながら、マミはアクアの後を追うのだった。
(こうしてみるとまるで子供ね、でも……)
内心の疑念は拭えない。けれどそれは、きっとこれから解明されるのだろう。
「んー、お茶もケーキも美味しいじゃん。これ、マミが作ってるの?」
ケーキを一つ、二つと平らげて、紅茶で喉を潤して。満足げにアクアが言う。
「ええ、お口に合ってくれたようで何よりよ。……さあ、そろそろ本題に入りましょうか。それと、これ」
向かい合って座るマミが、黄色の刺繍の入ったハンカチをアクアに手渡しながら言う。
「ここ、クリームついてるわよ」
苦笑交じりに言いながら、マミは自分の頬を指で指した。
「ああ、こんなもんこうしちまえば、ほら」
アクアはそれをけらけらと笑って、親指でそのクリームを拭ってそのまま舐め取ってしまった。
「もう、子供じゃないんだから……まあいいわ、今度こそ本題に入りましょう」
食器を片して、今度こそマミはアクアに呼びかけた。
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