過去ログ - 極悪人「レイプしてやろうか?」  お嬢様「ええっ!?」
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44: ◆2Ru5HhxpIY[saga]
2012/12/17(月) 14:13:04.56 ID:bgB6RRMB0
「はっ!」

その瞬間には、私の腕が嘶く馬が駆けるように速く動いていた。
服が裂ける。
短剣越しに、相手を切り裂いた感覚が残る、だが致命傷ではない。
彼女は身をひねって、軽傷程度で済ませていたのだ。

「・・・」

周りを叩きつけるような雨の音と、遠く轟く雷鳴だけが、静寂を濁していた。
無言で相手がどう動くかを頭の中ではじき出し、隙を伺おうと相手を睨む。
そんな睨み合いがどれだけ続いただろうか・・・。

「そらぁッ!」

「!!・・・」

ベレンガリアは、自分の傍にあった木製の椅子を持ち上げ、こちらに力任せに投げてきた。
この程度、簡単に避けることは造作もない。
私は左へ回避する、本来なら私を捉えるはずの椅子は凄まじい音と共に地面へ叩きつけられた。

「はァッ!」

息を吐いて、大きく踏み込む。
相手の懐に入り込むと、私は足と脇腹を数箇所切り刻んでやった。
ベレンガリアが身につけていた真紅のローブのように、彼女の肢体から鮮血が溢れ出る。

「んぐ・・・・・・くあぁッ!・・・」

相手が無様に膝をついた。
私はこれを冷酷にチャンスと捉え、相手の背後に回る。
喉元を菊一文字に切り裂いて、トドメだ。

「じゃあな、メス犬」

柄にもなく、別れの言葉を言いたくなった。
私と戦い、これ程手こずらせた奴はいなかった。
その煩わしさに、別れを言いたくなったのだ。

「あ・・・がぁッ・・・ぃ・・・!」

喉元を短剣で容赦なく切り裂く。
柔らかな肉を深く切り裂いた感触が、いつものように手に残る。

喉を切られたベレンガリアは、すがるようにもがいていた・・・。
・・・幻覚でも見ているのだろうか。
まるで餌に釣られ捕らえられた猫のように、彼女は私に凄惨な最期を見せてくれた。

「くぁ・・・・・・ひ・・・・・・ぐッ・・・・・・・・・」

喉元を切り裂いても、人間というのは思いのほか生きていられるようだ。
呼吸が出来ず、ゆっくりと息絶えるその姿はまさに豪華絢爛たる姿が散る美しさに似ていた。

(・・・美しい)

彼女の喉元から、ワインのように鮮血が飛び散り、真紅のローブが更に赤く染まる。
一種の舞だった、華やかに散るその姿は例えるなら、散りゆく薔薇。
輝き、命が徐々に失われてゆくその過程が、たまらなく美しく、狂おしいほど愛おしい。

「・・・・・・ァ・・・・・・」

やがて言葉を発しなくなった“それ”は、ただ痙攣を起こしている有機物に成り下がった。
私が今まで感じていた高揚感がスッと消え去り、幸福感に酔っていた自分が一瞬で覚める。

(派手にやってしまったものだ)

目の前の凄惨な死体を見る。
虚ろになった目が動かないまま、虚空を見つめていた。




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