過去ログ - 極悪人「レイプしてやろうか?」  お嬢様「ええっ!?」
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48: ◆2Ru5HhxpIY[saga]
2012/12/26(水) 09:03:14.55 ID:Ntaqt7V/0
―――

「王がこんなところにいらっしゃるとは、随分変な光景ですね」

「・・・、クライドか」

「仕事の依頼の方、詳しく聞かせていただけますか?」

「他言無用だ。これは我が国の存命に関わるのだ。人に漏らすな」

特に隠すようでもなく、アドルファーティ王は続けた。
ここは前も話したので省くが、アドルファーティ王が治める小国は経済的危機に陥っている。
その打開策、一時凌ぎではあるが娘のエウジェーニアを奴隷として売り捌き、経済回復を図るという。
あまり上手い策とは思えないが、彼なりの考えがあってのことだろう、深くは追求しない。

「・・・成程。あなたがこの依頼にかけているのがよく解りました」

「そうか、・・・理解したところで、もう一つ提案がある」

王はまだ何か企んでいるらしい。
先程よりも低いトーンで、王は続けた。

「・・・我が側近、名はベレンガリア。此奴も一緒に捌いてもらいたい」

王は悪びれる様子もない様子で言う。
一体どれほど身内を売れば気が済むのやら・・・。

「勿論無理にとは言わんよ。・・・可能ならの話だ。可能ならな」

「珍しいですね、普段ならそのようなことは仰らないのに」

「此奴は強いぞ。異形の武術を極めている」

王が静かに笑った。
脇に置いてあったワイングラスに口をつけ、優雅に飲み干す。

「本人は知らないと思っているだろうが、此奴は元奴隷だ。・・・そして元飼い主がかなりの重鎮なのだ。政治界のな」

恐らくその“飼い主”とやらと癒着し、ゆくゆくは利用して小国の領土を広めたいのだろう。
その土産として、ベレンガリアとやらを渡すのは、王の性格上理に適っていると言えた。

「それでは何故貴方は“可能なら”と仰ったのです?初めから失敗を視野に入れていらっしゃるのですか?」

「我が娘エウジェーニアを元から奴に差し出すことになっているからだ。契約としてはそれで十分なのだ」

「・・・そういうことですか。こちらも最善を尽くしましょう」

「期待しているぞ」

王の微妙なプレッシャーを受けて俺は阿鼻叫喚の奴隷市場を後にした。
そういえば、マスターに一杯奢るのを忘れていたな、ふと思い出したがどうでもよかった。



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