過去ログ - 【ゆるゆり】撫子「大室家の短編集」花子「だし!」
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985:1 ◆Y79ev7DOE0Zd[sage saga]
2014/04/05(土) 01:15:42.74 ID:5uGR/nDw0
第487話 パラレルワールド 14

私は急いで藍ちゃんに連絡した。撫子がいなくなったと、藍ちゃんは携帯に連絡しても連絡が取れないとのことで、すぐに来ると言った。
私が取り乱していると、花子ちゃんが起きてきて、また撫子の両親が部屋に来た。しかし、両親の様子が妙である。
最初、携帯に電話したり、それでも繋がらないと私に事情を聞いてきたりしていたが、私がパラレルワールドに飛ばされたなどの話をしている内に顔色が変わってきた。
そして、終いには撫子なんて娘は元々居なかったと言い出し始めた。まずいとうとうこの世界から撫子の存在が消えてきた。
花子ちゃんだけは、撫子のことを忘れなかったようで、ずっと、「撫子お姉ちゃんは帰ってくる?」と私に聞いて来た。

美穂「撫子、この世界には撫子のことを待っている人がこんなにもいるんだから、だから早く帰って来なさい」

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どの世界が私の元の世界だったのか、分からない。

撫子「まずい、やっぱり無謀だったか……」

段々と意識が朦朧としてきた。進めば進むほど、何も考えられなくなってくる。

撫子「ごめん、美穂。花子……藍……」

私はその場に倒れこんでしまった。

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美穂から撫子が消えたとの連絡を受けたときは、少し衝撃を受けた。パラレルワールドに行って帰って来られなくなると存在が消えるなんて、唐突にいろいろなことを聞きすぎて理解が出来なかった。
撫子は確かに別世界に行っていたと前に言った。じゃあ撫子が見た夢は本当のことだったの? 最初は冗談でみんなで私を騙そうとしているのかと思ったが、美穂から来た電話に「撫子お姉ちゃんがいなくなった」と花子ちゃんの泣き声が聞こえたことが決定打となった。

撫子の家につくと、美穂と花子ちゃんが泣いていた。

藍「やっぱり、帰ってきてないの?」

美穂「うん。ごめん、私が止めていれば!」

藍「美穂のせいじゃない。それはたぶん、撫子が選んだことだから」

藍「大丈夫、待ってれば帰ってくるって」

花子「みんな撫子お姉ちゃんのこと、忘れてきてるし、さっき櫻子も起きてきたけど、撫子お姉ちゃんのこと覚えてなかったし!」

藍「大丈夫、私達がずっと覚えていれば! いつかは帰ってくるから!!」

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誰かが泣いている。……この泣き声は花子? 花子が泣くなんて珍しい。そっか、私が遠く離れた街に行っちゃうのが寂しいんだ。
藍の声も聞こえる。
あれ? もう1つ声が……

『撫子! 撫子はこの世界を選んだんでしょ?』

美穂……それは一体どういうこと?

『撫子!! 帰ってきて!!』

藍……帰ってくるって……? ……!! そうだ! そうだった!! 私は帰らないといけないんだ!!

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「ただいま」

花子「撫子お姉ちゃん!!」

撫子「花子、ただいま」

藍「おかえり」

撫子「藍、ごめん心配かけて」

美穂「……撫子!! バカ!」

撫子「ごめん美穂、私のわがままで」

美穂「でも、ありがとう。私のために」

そうか、もう美穂の記憶も書き加えられているのか。この反応で、あの世界の美穂が幸せになれたことがわかって安心した。

撫子「こっちこそ、花子と藍まで呼んで私を連れ戻してくれてありがとう」

美穂「もう、私はまだしも。花子ちゃんと藍ちゃんを悲しませちゃダメだぞ!」

第487話 パラレルワールド 14 終わり


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