過去ログ - 少女「治療完了、目を覚ますよ」−オリジナル小説
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123:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/17(水) 08:03:46.67 ID:FW+Jr7MZ0
「ちょっと失敗しただけ。何でもない」

そこは、上下が逆になった世界だった。

床が天井の位置にある。
以下略



124:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/17(水) 08:04:14.53 ID:FW+Jr7MZ0
タンスに、大きなブラウン管型テレビ。

足元の電球の周りには虫が飛んでいる。

障子は開いていたが、その向こう側は真っ白な霧に覆われていた。
以下略



125:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/17(水) 08:05:28.05 ID:FW+Jr7MZ0
「煉獄に繋がる通路じゃないみたい。トラウマでもないし。
普通の、通常心理壁の中みたいだよ」

『何か異常を探すんだ』

以下略



126:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/17(水) 08:05:54.77 ID:FW+Jr7MZ0
首をかしげて、さかさまに映っている自分のことを、彼女は見た。

黒い画面に、汀が立っているだけの映像。

またしばらくして、画面の中の汀の首が、パンッと音を立てて弾け飛んだ。
以下略



127:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/17(水) 08:06:31.48 ID:FW+Jr7MZ0
『この患者は普通じゃないと言っただろ。中枢を探してくれ』

「……分かった」

汀がそう言った時だった。
以下略



128:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/17(水) 08:07:15.10 ID:FW+Jr7MZ0
それは、血液のように赤かった。

否。

血液だった。
以下略



129:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/17(水) 08:07:54.21 ID:FW+Jr7MZ0
汀は、頭の上から迫ってくる血だまりを見上げ、
足下の天井を蹴って、障子に向かって走り出した。

その途端だった。

以下略



130:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/17(水) 08:08:22.41 ID:FW+Jr7MZ0
回転した。

小さな体を動かし、汀はもったりとした血液を掻き分けて顔を出し、息をついた。

しかし、ぬるぬるとローションのように、血液は彼女の体を沈み込ませようとする。
以下略



131:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/17(水) 08:08:53.20 ID:FW+Jr7MZ0


気づいた時、彼女は一面の花畑の中に横たわっていた。

「……ゲホッ、ゲホッ!」
以下略



132:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/17(水) 08:09:29.39 ID:FW+Jr7MZ0
無数の棘がついたつたに囲まれ、彼女は起き上がろうとして、
ビリビリと病院服のすそが破れたのを見て、舌打ちをした。

「……攻撃性が強すぎる」

以下略



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