過去ログ - 少女「治療完了、目を覚ますよ」−オリジナル小説
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144:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/17(水) 08:16:37.19 ID:FW+Jr7MZ0
汀の部屋で、大河内は立ったまま、
すぅすぅと寝息を立てている彼女を見下ろした。

「ここまで負担をかけることもなかった」

以下略



145:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/17(水) 08:17:10.38 ID:FW+Jr7MZ0
「汀ちゃんにこれ以上負担をかける治療を行っていくっていうのなら、
元老院にかけあってもいいんだぞ」

「脅しか?」

以下略



146:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/17(水) 08:17:45.46 ID:FW+Jr7MZ0
「結果が全てだろ。所詮。元老院だって分かってるはずだ。
今回のダイブだって、アメリカの症例二件を含めなければ、
日本人で初のアルツハイマー型痴呆症患者の治療成功例として登録されたんだ。
褒められはすれど、怒られるいわれはないね」

以下略



147:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/17(水) 08:19:36.85 ID:FW+Jr7MZ0
「自殺病を治しただけで、アルツハイマーは治っていない。
それが、患者の幸福に繋がっているとでも言いたいのか!」

胸倉を掴み上げられ、圭介は、しかし柔和な表情のまま口を開いた。

以下略



148:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/17(水) 08:20:09.12 ID:FW+Jr7MZ0
「俺達は医者だ」

「…………」

「そしてこの子は、道具だ」
以下略



149:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/17(水) 08:20:37.83 ID:FW+Jr7MZ0
「それだけとは、私にはどうも思えないのだがね」

「皮肉か?」

「それ以外の何かに聞こえたのなら、多分そうなんだろう」
以下略



150:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/17(水) 08:21:15.45 ID:FW+Jr7MZ0


びっくりドンキーの前と同じ席で、
汀はゆっくりとメリーゴーランドのパフェを口に運んでいた。

以下略



151:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/17(水) 08:21:44.06 ID:FW+Jr7MZ0
「……何でも言うこと聞いてくれるって言ったのは圭介だよ……」

息をついて、圭介は手を伸ばして、汀の前からパフェをどけた。

「とりあえず、店を出よう。一旦車で休んだ方がいい」
以下略



152:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/17(水) 08:22:12.92 ID:FW+Jr7MZ0
汀は、こくりこくりと頭を揺らしながら、小さく呟いた。

「圭介……」

「ん?」
以下略



153:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/17(水) 08:22:41.22 ID:FW+Jr7MZ0
圭介は無言で車椅子を押した。

そして店員達に見送られながら、駐車場に向かう。

「……俺にはまだ、よく分からないけど」
以下略



154:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/17(水) 08:23:08.67 ID:FW+Jr7MZ0
寝息が聞こえた。

彼は、眠りに入っている汀を見下ろし、息をついた。

そして小さく呟く。
以下略



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