過去ログ - 少女「治療完了、目を覚ますよ」−オリジナル小説
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263:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/18(木) 11:02:39.16 ID:OB2lhOYj0
『…………』

圭介はしばらく考え込んでいた。

が、断固とした口調で彼は言った。
以下略



264:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/18(木) 11:03:11.04 ID:OB2lhOYj0
<僕は……僕は……僕は……>

<殺してやる! 殺してやるんだみんな!>

<血……ひき肉……>
以下略



265:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/18(木) 11:03:43.97 ID:OB2lhOYj0
最後の呟きは、ぐわんぐわんと丘に反響して消えた。

蝶々達は、動きを止めていた。

おびただしい数の蜘蛛が、カサカサと動いて蝶々達を食べ始める。
以下略



266:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/18(木) 11:04:15.43 ID:OB2lhOYj0
「医者?」

『医者は人を治す。それが、人を救うということだ。
お前は目の前のことしか見ていない』

以下略



267:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/18(木) 11:06:02.26 ID:OB2lhOYj0
「私……私は……」

「なぎさちゃん!」

そこで、うずくまっていた岬が大声を上げた。
以下略



268:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/18(木) 11:06:35.18 ID:OB2lhOYj0
『汀!』

圭介が大声を上げる。

汀は、動きを止めた蜘蛛達に言った。
以下略



269:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/18(木) 11:07:02.62 ID:OB2lhOYj0
それは、顔写真だった。

赤ん坊の、写真だった。

「中島正一。それがあなたの名前。
以下略



270:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/18(木) 11:07:50.32 ID:OB2lhOYj0
それは、体長十メートルはあろうかという、巨大な蜘蛛だった。

八つの赤い目を光らせながら、巨蜘蛛は地面を踏みしめ、
汀の前まで移動すると、顔を屈めて蟲の口を開いた。

以下略



271:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/18(木) 11:08:55.77 ID:OB2lhOYj0
巨蜘蛛が悲鳴を上げた。

嫌々をするように首を振った蜘蛛に、汀は淡々と続けた。

「あなたが思い描く現実なんて、どこにもない。
以下略



272:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/18(木) 11:09:41.58 ID:OB2lhOYj0
蜘蛛の足は、簡単に汀の背中を胸まで貫通すると、向こう側に抜けた。

そして地面に、まるで蟲のように、少女のことを縫いとめる。

「ゲボッ」
以下略



273:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/18(木) 11:11:21.44 ID:OB2lhOYj0
「良く……見て。これがあなたよ……
誰も言わないなら……私が言ってあげる……」

「なぎさちゃん!」

以下略



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