過去ログ - 少女「治療完了、目を覚ますよ」−オリジナル小説
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54:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/10/16(火) 18:15:01.79 ID:Xp8Q5vyA0
「ユブユブユブユブユブユブユブ」

突然、奇妙な呟きとともに、
また女の子二人組が上がってくるのが見えたからだった。

以下略



55:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/10/16(火) 18:15:31.90 ID:Xp8Q5vyA0
そこで、彼女の耳に、螺旋階段全体に声が反響したのが聞こえた。

「ゆぶユブユブユブゆぶユブユブゆぶ」

上を見た汀が、一瞬停止した。
以下略



56:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/10/16(火) 18:16:09.17 ID:Xp8Q5vyA0
それが当たった階段が、
ジュゥッ! と焼ける音を立てて黒い煙を発し、そして溶けた。

液体の落下よりも、汀の落下の方が間一髪で早かった。

以下略



57:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/10/16(火) 18:16:43.23 ID:Xp8Q5vyA0
ささくれ立って、ボロボロの階段になっていく。

そんな中、一つだけピンク色に光る電光掲示板があった。

汀はその矢印が指すドアを確認すると、螺旋階段の手すりに手をかけ、
以下略



58:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/10/16(火) 18:17:26.83 ID:Xp8Q5vyA0


彼女は、映画館に立っていた。

薄暗い劇場は狭く、百人も入れないほどの小さな映画館だ。
以下略



59:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/10/16(火) 18:18:07.70 ID:Xp8Q5vyA0
「先生! 先生やめてください! こんなこと……こんなこと酷すぎます!」

観客のマネキン達から、男の笑い声が、一斉にドッと漏れた。

「先生! 先生やめてください! こんなこと……こんなこと酷すぎます!」
以下略



60:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/10/16(火) 18:18:41.02 ID:Xp8Q5vyA0
およそ少女の力とは思えないほどの威力で、
マネキン人形の首が吹き飛んでいき、スクリーンの中央に大きな穴を開ける。

『汀、今回は危険だ。遊ぶんじゃない!』

以下略



61:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/10/16(火) 18:19:09.90 ID:Xp8Q5vyA0
汀はそう言って、また手近なマネキン人形を殴った。

その胸部に大きな穴が開き、ぐらりと倒れる。

「私はここでは最強なんだ! 強いんだ!
以下略



62:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/10/16(火) 18:20:03.10 ID:Xp8Q5vyA0


気づいた時、汀はマネキン人形が所狭しと果てしなく投棄された、
その山のような場所にうつぶせに倒れていた。

以下略



63:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/10/16(火) 18:20:34.98 ID:Xp8Q5vyA0
女の子の全身には、青黒い切り傷がついていて、そこから血がにじんでいる。

人形達を掻き分け、汀は女の子に近づいた。

そして、その頬を掴んで自分の方を向かせる。
以下略



64:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/10/16(火) 18:21:06.18 ID:Xp8Q5vyA0
汀は少しだけ沈黙すると、さびしそうに一言、言った。

「それが、一番楽なのかもしれないんだよ」

答えはない。
以下略



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