過去ログ - 少女「治療完了、目を覚ますよ」−オリジナル小説
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572:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/21(日) 19:27:36.32 ID:vW73a+6T0
「一人でも出来るようになりたい」

時折、汀はこのように我侭を言い出すことが多くなっていた。

辟易まではしなくても、理緒も多少の気は遣う。
以下略



573:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/21(日) 19:28:15.88 ID:vW73a+6T0
三十分ほど前、お菓子を準備するからと言って出て行ったきり、
圭介はまだ戻ってこなかった。

「多分、何か仕事してるんだと思う。出ないほうがいいと思うな……」

以下略



574:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/21(日) 19:29:07.31 ID:vW73a+6T0


圭介は、無言で病院前の郵便ポストを見ていた。

彼の両手からは、ボタボタと血が垂れている。
以下略



575:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/21(日) 19:29:55.05 ID:vW73a+6T0
血が半ば固まっているところを見ると、
殺されたのはそう遠いことではなさそうだ。

圭介は黒いビニール袋を何十かにして、無表情で猫の首を放り込み、
そして縛ってからゴミ袋の中に落とした。
以下略



576:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/21(日) 19:30:39.39 ID:vW73a+6T0
『どうした? 汀ちゃんに何かあったのか?』

「残念ながら特筆することはないな。
『近所』の餓鬼の悪戯に手を焼いていたところだ。
お前と話す気分じゃない」
以下略



577:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/21(日) 19:31:19.21 ID:vW73a+6T0
しかし抑揚のない声調子で返す。

「治療はいつだ?」

『すぐにでも始めたい。
以下略



578:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/21(日) 19:32:25.55 ID:vW73a+6T0

★Karte.8 あの時計塔を探せ★

「今回の患者は、高杉丈一郎。四十一歳。
自殺病の治療薬、GMDの権威として知られている、
以下略



579:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/21(日) 19:33:26.60 ID:vW73a+6T0
「放置……ハッ、放置ね……」

面白そうに肩を揺らしながら、隅に座っていた圭介が呟く。

「高畑医師、何がおかしいんだね?」
以下略



580:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/21(日) 19:34:11.05 ID:vW73a+6T0
「……効果がないわけではありません。
防衛型の攻撃性が強く、
投薬による解決が中々見受けられない『ケース』なだけです」

大河内が声を低くして圭介を睨む。
以下略



581:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/21(日) 19:34:56.43 ID:vW73a+6T0
沈黙している周囲から視線を資料に向け、大河内は続けた。

「それでは、資料の十四ページをご覧ください。
今回のダイブには、通常よりも更に神経を注ぐことにします。
高畑医師のマインドスイーパーと、
以下略



582:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/21(日) 19:35:49.13 ID:vW73a+6T0


赤十字病院の中庭で汀の乗った車椅子を押しながら、
理緒は息をついた。

以下略



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