過去ログ - まどか「杏子ちゃん、それはちょっと食べすぎじゃない……?」
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47: ◆GnIWQD74f.[saga]
2012/10/22(月) 22:04:31.84 ID:ogQlBkOko
 佐倉さんが美樹さんと一緒になって修行をしていた日から三日後、私は佐倉さんと話を付ける為に彼女と一緒に公園へと来ていたわ。

「珍しいじゃんか。マミの方からあたしを呼んでくれるなんてさ」

 佐倉さんと決別したあの日の時のように、相変わらず彼女は、そっけない態度を私に見せてくれた。

「……ええ。貴方とは一度本気で勝負をしようと思ってね」

 私がそう言うと、佐倉さんが楽しそうに笑っていた。本当に楽しそうにね。

「そうかい……。いいね燃えてきた!」

 それから私達は変身して、お互いに戦う為に距離をとる。

「その代わりひとつだけ約束してちょうだい。あなたが私に負けたら、この街には二度と近寄らないと」

「ああ……。だけど、あんたが負けたらその逆だ!」

 佐倉さんはそう言って、早速槍を構えて突進してきた。

「ふふ、甘いわね!」

 佐倉さんの攻撃を先読みした私は、リボンを創り出して自由を奪おうとした。だけど、
佐倉さんもその先を読んでいたのか真上に飛んでリボンを断ち切り、槍を私に投げつけた。

「へへ、マミの攻撃パターンはもうお見通しなんだよ!」

「そう上手く行くと思って?」

 佐倉さんの投げ付けてきた槍の矛先を、私は正確にマスケット銃で撃ち抜いて弾き、
更に大量のリボンを生成して佐倉さん目掛けて伸ばした。

「そう何度も同じ攻撃を喰らうかよ!」

「だからあなたは甘いのよ!」

「……何だと!?」

 私は創った大量のリボンを佐倉さんの後方へと伸ばして、そのリボンをマスケット銃へと変化させて、素早く大量の弾丸を射出した。

「ぐわああぁぁぁ!!」

 私の放った弾丸は、佐倉さんの背中にもろに直撃した。

「チェックメイトね、佐倉さん」

「なんちゃって」

「えっ!?」

 私の背後から佐倉さんの声が聞こえて咄嗟に後ろを振り向くと、彼女の槍の矛先が私の目前へと迫っていた。

「マミ、今度はあんたがチェックメイトだぜ」

 私の心臓からあと少しの所で、佐倉さんは構えた槍の矛先を止めてくれた。

(私、負けちゃった……)

 佐倉さんに負けてしまって、私はとても悔しかった。でも、それ以上にこの真剣勝負をとても楽しんでいた自分がそこにいたわ。

「佐倉さんあなた……。幻術は使わなかったんじゃ……」

「悪いねマミ。これも、とある女の子を守る為の、あたしなりの覚悟なんだ」

 佐倉さんの瞳には、何があったとしてもその子を絶対に守りきるといった、そんな意思がこもっていた。

「そう……。それがあなたが見つけ出したあなたなりの答えなのね」

 私のその一言で、佐倉さんは寂しそうな表情を顔にして私から目を逸らしてしまった。

「ああ。あたしはもう何も失いたくないから……」

「佐倉さん……。分かったわ。私は負けたからこの街を出ていく。どうか私の分までこの街を……。いいえ、鹿目さんのことを守ってあげて」

「マミ……。お前ってやつは……」

 私は佐倉さんに背中を向けて、その場を離れようとした。でもその時、彼女は必死に私の事を呼び止めてくれた。

「待ってくれ!!!」


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