27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2012/11/11(日) 01:22:56.86 ID:6/MOeH3h0
「体中にあるの? あかいヘビ」
そうだ、と答えた。
少女はまじまじと私の体を見つめる。
帯状の斑紋もそうだが、そもそも人間の肉体が珍しいのかもしれない。
幾分か恐怖が和らいだのか、その端整な顔はもう強張っていなかった。
「拭く物も置いていくから」
少女は着替えと綿織物を湯のかからない浴室の隅に置き、足早に浴室を後にする。
少女が立ち去った後、私は思考を今後についての方へ向けた。
これから行く当ても特に無い。
故国への郷愁を覚えて帰還した途端に追い回された。
十年。
決して短い年月では無い。
多くの知識を得た。価値観もだいぶ変わった。
世界の情勢も変わり、グラン王国の王位も遷った。
新たな大陸も発見された。古代文化の再生も盛んに行われている。
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