43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2012/11/18(日) 20:12:38.68 ID:RKgc1Uqb0
彼は羊皮紙の最後まで目を通さずにそれを机の端にどけた。
それから聖書の翻訳の続きを始める。
グラン国の宰相も務めるなど多忙な彼だが、一人でも多く国民に聖書を読んでもらうために時間を見つけては聖書の翻訳を進めている。
今は或る使徒の書簡に取り掛かっているところだ。
カルヴァン枢機卿は極端な二面性を持つ男だ。
祖国の為に滅私奉公の働きをするが、時として手段を選ばない冷徹な一面も有る。
先の傭兵についても、呪術の存在を他国に口外しないように始末する算段でいる。
また、その二面性は翻訳されている聖書からも窺えた。
「……」
彼はペンを動かしながら、先程書記官が逆賊と呼んだ男について考えを巡らせていた。
教義上で悪魔とされるエルフが行使する呪術。
それを戦力にする計画が十年以上前に行われ、国内の兵力が著しく高まった。
計画に関与していた彼はその恩恵をもあって現在の地位に就く事ができた。
しかし同時期に最高戦力の男と計画において重要な役割を担っていた男が行方を眩ましてしまった。
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