6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)
2012/11/07(水) 00:14:46.16 ID:0rJjsqvo0
蔦と倒木で形成された塊の真近まで来て私は地を強く蹴り、斜め前方に跳んだ。
およそ常人では有り得ない跳躍力を発揮する。
数瞬の後には、私は天然の壁よりも悠に高い地点にいた。
斜め後方にいる男たちが放った幾つかの呪術が、体の脇をすり抜けて行く。
しかし、そんなものはどうでも良かった。
私は天を駆けている。
このまま満天の星々の一つになってしまえればどれだけ幸せだろうかと考える。
古き時代に信仰されていた神々。その名を授かった星の図形。
私もそれらを形作る一つの光になれたら――
しかし、私の体はある地点まで上りつめた後、再び地に吸い寄せられる。
やはり私は自然の理に囚われたままだった。
落胆を抱えながら下方に視線を向けた私は、自身が或る問題に衝突したことに気付いた。
自然と顔が曇る。それから諦念の溜息を吐いた。
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