29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2012/11/22(木) 01:42:39.89 ID:Aqo+XSP60
『キリン星人』という文字の下には、馬面でやたらと目が大きく睫毛の長い男性の顔写真が表示されていた。
「……なにこいつ気持ち悪っ」
松本が、表示された顔写真に対して吐き捨てるように言った。
確かに写真の男はどこか人間離れした顔をしており、つぶらな瞳は生気を感じさせず不気味だ。
「この人が、そのキリン星人っていうことですよね?」
「えぇそうです」
「それを今から倒しに行くと?」
「飲み込みが早いですね、そういうことです」
筑川の度重なる質問に、祐喜が即座に切り返していると
がしゃんっ
突如、重い音とともに、黒い玉の左右と後ろ側が引き出しのように飛び出した。
「!?」
玉が変形した、という表現が正しいのだろうか。左右両側に飛び出したのは鉄骨らしきもので構成された収納スペースで、大量の銃らしきモノがその中で整然と並んでいた。
後ろに飛び出した部位は戸棚のような形状になっており、そこに幾つもの薄いケースが入っている。
「……地球防衛軍からエージェントとして見込まれたあなた達は、世間において一度死んだことになりました。
これからあなた達は地球に巣くう悪質なエイリアンを退治しに行きます」
祐喜がおもむろに何かを淡々と語り出した。恐らくこの企画の『設定』というものだろう。
ゲームは嫌いじゃない。そこからルールの全容をなんとなく理解した真は俄かにやる気が芽生え始めた。
「……へぇ、なんか楽しそうですね。ボク、燃えてきましたよ!」
「あはは、それはよかった。
それでこの玉はいわゆる指令を与えて、我々を運ぶ役割を果たしています」
「これが、その武器ってことですか」
説明する祐喜のそばで、並ぶ銃器を眺めながら筑川が聞いた。
「えぇ、自由に見てみて下さい」
そう答えた赤羽根の言葉を皮切りに、話を聞いていた各々が、変形した黒い玉に集まった。
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