30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2012/11/22(木) 01:48:56.61 ID:Aqo+XSP60
そう答えた赤羽根の言葉を皮切りに、話を聞いていた各々が、変形した黒い玉に集まった。
「お金かかってるなぁ」
「へぇ、よくできてるね」
左右に収納されている武器は散弾銃かライフルのような形状をした銃と、短銃の二種類があり、
どちらも玉と同じく黒色で、弾の射出口は無く近未来的なデザインをしている。
「あわわ、結構重いです……」
長銃を引き抜いたやよいが、ずっしりとした重みによろめいた。
「リアルだなー」
形こそオモチャのようだが、その実、鉄の塊のような、本物の銃を思わせる程の重量と質感を持っている。
短銃を持った真が、ふと収納スペースと玉の付け根を見やった。玉は何やら空洞になっており、どうやらそこから玉の中が覗けるようだ。
真は好奇心からなんとなしにしゃがみ込んで、中身を覗いてみた。そして次の瞬間、ぎょっとして声をあげた。
「うわっ、中に人がいますよ!?」
玉の中には裸でスキンヘッドの男が、体育座りをしているような体勢で丸まっていた。眠っているようにその目は堅く閉じられており、その上、男は呼吸器のようなものに繋がれている。
耳を済ませば、呼吸器から微かに呼吸する音が聞こえてきた。
「気持ち悪っ。すげーリアル」
「作り物、でしょうね。それにしてもスゴい作り込みだなぁ」
同じく玉の中を覗き込んだ松本と筑川がそう零した。
(作り物、にしてはよく出来過ぎだよ、これ……)
作り物とはとても思えないその男は今にも目を覚ましそうだ。真は、精巧に出来ていて凄いという感情より微かな恐怖心を覚え、立ち上がるとそそくさと玉から離れた。
「……えー、これから皆で外に出ます」
変形した玉について皆がそれぞれの感想を漏らす中、赤羽根が語りかけてきた。
「そこのどこかにコイツがいるんで、見つけ次第戦って倒します」
赤羽根は、指でトントンと黒い玉に表示された顔写真をつつく。
「倒した数だけ、点数が加算され豪華商品が与えられるというルールです」
「その、豪華商品ってのはなんなの?」
松本の問い掛けに、顔を見合わせる祐喜と赤羽根。
一拍空けてから赤羽根が呟くように言った。
「……賞金1000万」
その瞬間、部屋の空気が一変し、途端に騒がしくなった。
「はっ!?マジ!?」
「い、1000万!?」
「うっうー!びっくりですー!!それだけあれば……」
「点数を競い合うのはあなた方五人。多くの星人を倒して得点を貰って下さい。
その武器は見たようにここにあるんで好きなのを持って行って下さい。あとコレ、僕達が着てる服。このスーツはあなた方に特別な力を与えてくれます。ちゃんと着て下さいね」
興奮する皆に対して、祐喜は畳みかけるように説明をした。
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