355: ◆guueZER6fU[saga]
2013/09/24(火) 05:10:56.52 ID:B9b7bwOt0
「……なにかの、ゲームなのか?」
やっとのこと口を開いたのは、剣持だ。
「これはゲームじゃありません。
いや、ガンツにとってはそうかもしれませんが、僕達にとっては命を掛けた、いわば戦争です。
しくじれば、本当に死にます」
祐喜がいつもより増して真剣な口調で答えた。
再び黙る新参者達。
理解を得られたのだろうか、と真が様子を窺っていると、不意にヤクザ達が動き出した。
「頭おかしいんじゃねぇのか?なァ」
「フザケてんじゃねーぞ。気違いに付き合わされるこっちの身にもなれっつんだよ」
目を据わらせじりじりと詰め寄りながら、厳しい言葉を二人にぶつける。
祐喜はそれに対し、妙に慣れた様子で冷静に答えた。
「そう思われても仕方ないことも分かっています。信じることが難しいことも分かります」
「いやいや、ンなもんはどうでもいいからさ。
さっさとこっから出せや!」
怒鳴り、祐喜の言葉を遮るヤクザ。
赤羽根と祐喜の二人の目の前に立ち、至近距離で睨み付ける。
しかし祐喜はその威圧感をものともせず、相変わらずの調子で続ける。
「……僕達にはどうすることも出来ません。
ただ、これからこの『のっぺら星人』を全滅させることができたなら、帰ることができます」
その態度が気に食わなかったのだろう。
「グダグダ言ってねえで、いいからどうにかしろっつってんだよ!」
ヤクザのひ弱そうな方が激しい剣幕で怒鳴り、勢いよく右拳を振り上げた。
そして祐喜の左頬を思い切り殴りつけ、同時に鈍い音が部屋に響く。
遂に出た暴力に、それまで成り行きを見守っていた一同は息を呑み、卯月やみりあが小さい悲鳴をあげる。
剣持と警官も、そこで行動を起こそうと身体を動かした。
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