過去ログ - まこと王子ふんとうき(笑)
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380: ◆guueZER6fU
2013/12/21(土) 15:02:55.15 ID:rjIC/uYV0




 塾の帰りに赤城みりあと、あのセントバナード犬と出くわしてから一時間ちょっと経っただろうか。
 島村卯月は、刺激的で暴力的で、何より奇妙な夜を体感していた。
 レーザーを介して人が書き出されたり、超常的な能力を持つというラバースーツを着せられたり、あげくはこれからよく分からない生物と戦闘を行うらしく、まるで映画やマンガの世界に来てしまったようだ。

 更には、あの今をときめくアイドル、菊地真に高槻やよいとの邂逅を遂げてしまった。
 大きな不安を感じる傍ら、アイドル達との邂逅からいよいよこれはテレビのドッキリ番組とかの収録なんじゃないかと、仄かに思い始めたところだ。
 また『転送』が始まり、部屋から次々と人が消えて行った。
 そして今現在。

 卯月は、気付けば外にいた。

 周りには高層ビルが点々としている。
 目の前には光に彩られた『LaLa port』という文字が目立つ、横広がりに巨大な建物。

(らら、ぽーと?)

 卯月自身はあまり行ったことが無いが、テレビ番組でもたまに取り上げられているので、どういう場所なのかは知っていた。
  端的に言うならば、巨大なショッピングセンター。
 昼間なら家族連れだとか、カップルだとかで溢れかえっているのだろうが、夜は人通りがほとんど無く、閑散としている。
 東京湾の開発された地区と言えど、都心の新宿等とは違い、さすがに夜まで活気づいている訳では無いようだ。
 遠くから車の走行音が微かに聞こえてくる程度で、周囲に人がいる様子は全く無い。

 代わりにいるのは、全身をラバースーツに包んだ人々。
 それが合間って、あまり珍しくないネオンに彩られた建物も、なんだか見知らぬ雰囲気を纏っている。

 不思議で、不気味な光景だった。
 なんだか別の惑星に来てしまったような、奇妙な疎外感を感じて、思わず身が竦んでしまう。
 理解を超えた状況の中、目に映る全てが卯月を不安な気持ちにさせていく。

「……卯月さん」




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