45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2012/11/24(土) 02:10:05.74 ID:PxSAQFYm0
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玉のある部屋を出て、右に伸びているフローリングの細長い廊下の先に玄関はあった。
金属製と思しき扉には覗き穴やチェーンや郵便受けがちゃんと付いており、ここが何の変哲もないマンションの一室であることを表している。
(設定がSFならもっと秘密基地みたいなセットとかにすればいいのに……)
なぜマンションの一室なのだろうかと改めて不思議に思いながら、『まこと王子』と書かれたスーツケースを玄関脇の靴箱の上に置いた。
とりあえずケースを開いて中身を確認する。
ケースの中には、まず赤羽根と祐喜の履いていた黒い近未来的なデザインのブーツが入っており、その下に例のラバースーツが折り畳まれてあった。
ブーツをどかして、ラバースーツを目の前に広げる。
「……変なカタチだなぁ、これ」
ラバースーツはいくつかパーツに分かれているようで、一見した様子だと、スーツのあちこちに付いている白いボタンでパーツ同士を繋げて着るようだ。
(説明も受けてないけど、ちゃんと着られるのかなぁ)
未知な構造をしたスーツ。
やよいが一人で着て来れたのだから自分もすぐに着れるのだろうと思っていたが、奇妙な形状を前にして不安が湧き上がる。
「……まぁいっか」
悩んでいても仕方がない、とスーツを置いて服に手をかけた。
(……誰も覗いて来ないよね?)
一応警戒して廊下の向こう、玉のある部屋の方を見ながら、服を脱いでいく。
ドラマ撮影で身体を動かしやすくできるようにと、着ていた下着はスポーツブラとスパッツだ。
我ながら色気も無い下着姿だな、と思いながら、脱いだ私服を畳んで靴箱の上に置いた。
そして再び、スーツを掴んで目の前に広げる。
「ホントに、どうやって着るんだろ」
パーツを一つ一つ見ていくと、スーツは大まかに上半身と下半身に分かれていて、他に手を包むグローブのような部位と、ブーツとで構成されているようだ。
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