47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2012/11/24(土) 02:12:59.74 ID:PxSAQFYm0
祐喜や赤羽根と同じく身体は漆黒のスーツで完全に包まれている。
立ち上がり、試しに腕を回してみたり上体を捻ってみた。
(ホントだ、入ると全然窮屈じゃない……)
手を握ったり開いたりをして、身体にぴったりとはまったスーツの着心地を確かめる。
(スゴいな、このスーツ)
身体を動かしてみても、驚いたことに服を着ているという感覚がほとんど無い。
まるで身体と一体化して第二の皮膚になったような着心地だった。
スーツは確かに身体を包んではいるのだが、その存在を忘れてしまう程に自然で違和感がない。
首もとから足先まで、身体中の寸法を隅から隅まで事細かに測らないと、これほど身体にぴったりと合ったものは作れないだろう。
(ってことは特注ってことだよね……こんな服、どうやって作ったんだろう)
作るにしても、それに掛かる金額は相当なものだ。
玉といい武器といいスーツといい催眠といい、一体どれほど金を掛けているのだろうか。
逆に考えれば自分はそれだけ金の掛かった番組に出ているということになる。
赤羽根が言っていた通り、アメリカや中国等の大国が協賛しているとならば、尚更想像も出来ないような予算と手間がかかっているに違いない。
そう思うと、突然緊張してきた。
関わったであろう多くの人々のためにも、気を回して番組を盛り上げなければならない。
(そ、それに、プロデューサーのためにも、こ、ここは頑張らないと!)
プロデューサーがいない今、尚更失敗することは許されない。
気合いを入れつつ、緊張感でない交ぜになりながら、空のケースと畳んだ服を抱いて、部屋に戻ろうと廊下を歩いた。
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