過去ログ - 垣根「君が教えてくれた花の名前は――」
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◆1yXtrQq8OHOj
[saga]
2013/06/03(月) 02:38:19.16 ID:emK3jI3Ro
『あ?あぁ、俺は失敗例だ。
第一位の演算パターンが邪魔だったんだろうな』
『なんかこう能力の欠片みたいのを測定する方法でもあるんじゃねーの?』
その時の、んな事があるわけない、と切り捨てた言葉が引っかかった。
「能力、の片鱗……を……測、定……?」
『レベル5とやらになったらなったで旦那様も反対するかもしれませんしね』
――っ……!
『そうか。学園都市へ行きたいか?』
――んだ……この、記憶は……?
点と点が繋がり、線になる。
その線は麦野の記憶の糸だ。
ひとつのピースから始まり、過去へ過去へと遡る。
――しら、ない……私はこんな自分を……知らねぇぞ……。
ニコニコと笑う自分。
自分の頭を撫で回す、年上の女性。
その女性を叱りつける初老の女性。
『キヒッ……ブチコロシ……カク、テイ、ネ?』
真っ白な光の中で、自分が泣いていたような気がした。
「おい、大丈夫か?」
黙り込んだ麦野を心配するように、ステイルは麦野の顔を覗き込んだ。
「あ、あぁ……垣根の馬鹿さに呆れてただけだ……。
垣根の携帯はお前が持ってろ。
必要があれば連絡をいれる」
「あ、あぁ……わかった」
顔色が悪い事に気づきながらもステイルは大人しく従った。
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