941: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/21(木) 17:46:57.02 ID:hWToRdhWo
音のする方向を見た瞬間、木が真っ二つに縦に斬れた。
その奥からは鬼の形相の春香が割れた木の間を走ってくる勢いを
全く落とさずに飛び越え、私に剣を振り下ろそうとする男の前に立った。
942: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/21(木) 17:48:03.39 ID:hWToRdhWo
「はあ……。しょうがないなぁ。
なんて……私も千早ちゃんのこと責めることなんてできないんだ……」
「ごめんね、千早ちゃん、私も失敗しちゃったんだ」
943: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/21(木) 17:48:56.47 ID:hWToRdhWo
春香は私に肩を貸してくれてそれからもう片方の手で
自分の荷物の中をガサゴソと探してから
「ごめんね、回復薬はもうこれしかなくって」
944: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/21(木) 17:49:26.63 ID:hWToRdhWo
「どうして……人は戦争をするのかなぁ……」
「どうして人は人を殺してしまうのかなぁ……」
945: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/21(木) 17:49:52.39 ID:hWToRdhWo
「気にしないで。それに、私がこうしたいからしているの」
「私、もっともっと千早ちゃんと旅がしたい」
946: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/21(木) 17:50:39.22 ID:hWToRdhWo
私のことを最早引きずりながらも春香は諦めてなんかいなかった。
「足手まといなんかに思ってないよ」
947: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/21(木) 17:52:00.99 ID:hWToRdhWo
「……まだ間に合う。始まったばかり……」
「少し時間がかかるかもしれないけれど、絶対に止めよう」
948: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/21(木) 17:52:37.84 ID:hWToRdhWo
「心配かけちゃったかな? 不安にさせちゃったかな?」
「むしろ謝るのは私の方だったんだよ千早ちゃん」
949: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/21(木) 17:54:43.66 ID:hWToRdhWo
春香はえへへ、と笑っていた。
私はまたその笑顔に応えるべく、地面ばかり見ていた顔を上げ、
春香の方に見せた時……
950: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/21(木) 17:56:50.11 ID:hWToRdhWo
たった二人しかいないこっちに何十人もが。
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