37: ◆1XmsYbpRzk[saga]
2012/12/16(日) 22:28:16.00 ID:ugYQlzwp0
新城「大した生命力だな、あの男」
《帝国》の、尊敬すべきあの騎兵将校でもこうはいくまい、と新城は遠い目をした。千早はそんな飼い主を見て、何を考えてるの?と言いたげにグルル、と喉を鳴らした。
凛「いけない!」
新城「いきなりどうした、凛」
凛「あのサーヴァント――――恐らくはランサー――――奴はさっきの人影を追ったのよ!」
新城「ああ、魔術は秘匿されなければならない、だったか」
凛「殺されるわ!」
息巻く凛をよそ目に、新城は冷たい口調で切り替えした。
新城「それが?」
凛「それが、って……アンタ!!」
新城「もう一度、あの男と戦うのは御免だ。そうまでして助ける必要はないよ、凛」
凛「ああ、もう!! 確かにそうね、そうだわ。でも、それとこれとは違うのよ!!」
新城「……凛、君は」
新城はその時、誰を思い浮かべたのか。
虜にしたあの勝気な姫君か、凛とした個人副官か。それとも、北嶺の戦場でこそばゆい抵抗をしてくれたあの少尉か――――。
とにかく新城はこの時、判断を間違った。
新城「マスターの命令なら仕方ない。そういう風に出来ている。僕は軍人《オフィサー》だから」
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