42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/13(木) 23:46:49.16 ID:UYAEEgB60
「いや、同じ電車で会ったんだろ?帰りに、同じ車両で、通学中に」
「ああ、そうか、うん。」
そういうことね………確かに言われてみれば当たり前である。
「今日初めて会ったのか?」
43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/17(月) 17:41:29.14 ID:tZFy+Han0
その後、俺は閉口のくだらない話に付き合わされた………なんていう言い方はするまい。
頭を冷やして考えてみれば、俺の話の方がくだらないんだから。
いや、でも俺の知らない教師の名前を列挙されて、そいつの悪口を畳み掛けられても
どうすればいいかわからない。
44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/17(月) 17:51:41.06 ID:tZFy+Han0
お前の高校の近所のパン屋がめっちゃ美味いとか、対岸の火事みたいな情報を
与えられても困る。
火事にはなってないけどな。
今日、火事にに巻き込まれたのは俺だけどな。
45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/17(月) 18:09:05.11 ID:tZFy+Han0
―――はい、いませんでした。
翌日、がたんがたんと揺れる電車の中を一通り歩き回った。
前の車両の一番前のドアから入って、さりげなく全座席の乗客を見回しながら後ろの車両に向かって歩いていく。
46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/18(火) 00:15:30.84 ID:eHFvl1sK0
昨日の夕方に同じ車両にいたから、今日の朝に同じ車両に乗っているなんて限らない。
限らないけれど、可能性はそれなりにある。
同じ通学路だということは分かっている。
………しかし、仮に彼女を見つけたとして、会ったとしてどうするか。
47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/18(火) 00:30:03.24 ID:eHFvl1sK0
ますます不審な男である。
しかし、昨日のカバーの子の行動も不審だった。
火事が起きたとき、彼女はドアの前に立っていた。
もちろん彼女以外にもドアの近くに集まる人は多かったけれど、俺にはまるで、彼女が
48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/18(火) 00:53:12.79 ID:eHFvl1sK0
彼女の歩き方は、火事で逃げる際のそれではなかった。
こんな言い方はおかしいかもしれないが、まるで空を滑るような………。
素直に格好いいと、そう感じる立ち姿だった。
携帯が振動した。
49:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/20(木) 22:31:40.58 ID:k0nUOAQv0
コンビニに入ると、奧村がこちらを一瞥した。
そしてその後、ジャンプに興味を戻す。
コンビニにおける、置けるジャンプなんていうのは当然週刊漫画雑誌のそれであり―――、いや、月刊だとか
ヤングだとかウルトラだとか、何種類かあるんだが。
50:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/20(木) 22:36:26.44 ID:k0nUOAQv0
「………ジャンプ、面白いか?」
女が読むなんて珍しい、と思うのは俺の偏見だろうか。
「面白いよー? あぁ、いいなあって思う」
51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/20(木) 22:53:07.50 ID:k0nUOAQv0
彼女の口元は常に笑みによって持ち上がり、瑞々しい肌と子供のような瞳を持つ………などと説明すれば聞こえはいいが、俺は彼女が、この女が少し苦手だった。
なんだろうね、いつも笑っている奴って、ちょっと気持ち悪いじゃん。
あと、趣味が女らしくない。
ジャンプとマガジンとサンデーとチャンピオンを毎週読んでいるらしい。
52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/20(木) 23:09:04.96 ID:k0nUOAQv0
自然と、コンビニに立ち寄って時間を潰すことが増えた。
「ハーゲンダッツ………」
奥村が遠くを眺めながら呟いた。
「うん? なんだって?」
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