過去ログ - 【オリジナル】神がかってる。
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34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/09(日) 22:00:18.71 ID:CMNIc/dE0
「電車の電気系統を弄ってショートさせた、ということでしょう」
「嘘くせー」
「………はぁー」
どうした、溜め息なんてついて、と口にしようとしたが、飲み込む。
これは俺が言いだした夢の話。
以下略



35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/09(日) 22:19:19.45 ID:CMNIc/dE0
「電車の中で居眠りしてなかった?」
「そんなこと………」
いや、眠かった。
眠かったが、俺は昔からそういうことを、そういう無防備な姿をさらけ出すタイプじゃないと自覚している。
どちらかというと閉口の方が、いつも眠そうでどことなく………弱く、消えてしまいそうな雰囲気があった。


36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/13(木) 15:50:52.63 ID:UYAEEgB60
何かしらの痛みがあれば、軽い怪我でもあれば現実味があるんだが、そういった痕跡は残っていない。ただ、こういう光景を見たんですよと俺が言っているだけ。

「………」
やっぱり夢を見ていただけ、なのか。
ここで俺は自分の制服を見る。
以下略



37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/13(木) 21:59:01.05 ID:UYAEEgB60

「おっほう、おっほほう!」
「静かにしなさい」
「してるよ」
「………声が出てるじゃないか」
以下略



38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/13(木) 23:01:02.77 ID:UYAEEgB60
「魅力的ではあったんだろう?」
「いや、まあ………」
少し悩んだ。
おそらく美人の類ではあるが可愛さがないと、あの時そう感じた。

以下略



39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/13(木) 23:11:04.84 ID:UYAEEgB60
「………青い本を持ってた」
「それが、魅力?」
「うん。………あっ、いや、あと歩き方が格好良かった」
「歩き方? あのねえ、なんていうか聞きたいのは………もういいや」
落胆を一応隠そうとしているような、そんな息遣いが聞こえた。
以下略



40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/13(木) 23:22:25.51 ID:UYAEEgB60
「うん、どんな本だったかはわからないけど読書好きなのかな?やたくんと同じじゃん」
「やめろ」
「ん、何を?」
「気持ち悪い呼び方、やめろ………あと俺は、それほど読書好きなわけじゃねえよ」
知識をできるだけストックしておかないと落ち着かない、それだけ。


41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/13(木) 23:32:11.50 ID:UYAEEgB60
「年は?高一?」
閉口は元気よく質問を続ける。

「ああ、俺らと同じ………だと思う。いや、大人っぽい印象はあったけど………ううん」
さて、どうだろう。
以下略



42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/13(木) 23:46:49.16 ID:UYAEEgB60
「いや、同じ電車で会ったんだろ?帰りに、同じ車両で、通学中に」
「ああ、そうか、うん。」
そういうことね………確かに言われてみれば当たり前である。

「今日初めて会ったのか?」
以下略



43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/17(月) 17:41:29.14 ID:tZFy+Han0
その後、俺は閉口のくだらない話に付き合わされた………なんていう言い方はするまい。
頭を冷やして考えてみれば、俺の話の方がくだらないんだから。

いや、でも俺の知らない教師の名前を列挙されて、そいつの悪口を畳み掛けられても
どうすればいいかわからない。
以下略



44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/17(月) 17:51:41.06 ID:tZFy+Han0
お前の高校の近所のパン屋がめっちゃ美味いとか、対岸の火事みたいな情報を
与えられても困る。
火事にはなってないけどな。
今日、火事にに巻き込まれたのは俺だけどな。

以下略



45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/17(月) 18:09:05.11 ID:tZFy+Han0
―――はい、いませんでした。

翌日、がたんがたんと揺れる電車の中を一通り歩き回った。
前の車両の一番前のドアから入って、さりげなく全座席の乗客を見回しながら後ろの車両に向かって歩いていく。

以下略



46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/18(火) 00:15:30.84 ID:eHFvl1sK0
昨日の夕方に同じ車両にいたから、今日の朝に同じ車両に乗っているなんて限らない。
限らないけれど、可能性はそれなりにある。

同じ通学路だということは分かっている。
………しかし、仮に彼女を見つけたとして、会ったとしてどうするか。
以下略



47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/18(火) 00:30:03.24 ID:eHFvl1sK0
ますます不審な男である。
しかし、昨日のカバーの子の行動も不審だった。

火事が起きたとき、彼女はドアの前に立っていた。
もちろん彼女以外にもドアの近くに集まる人は多かったけれど、俺にはまるで、彼女が
以下略



48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/18(火) 00:53:12.79 ID:eHFvl1sK0
彼女の歩き方は、火事で逃げる際のそれではなかった。
こんな言い方はおかしいかもしれないが、まるで空を滑るような………。
素直に格好いいと、そう感じる立ち姿だった。

携帯が振動した。
以下略



49:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/20(木) 22:31:40.58 ID:k0nUOAQv0
コンビニに入ると、奧村がこちらを一瞥した。
そしてその後、ジャンプに興味を戻す。

コンビニにおける、置けるジャンプなんていうのは当然週刊漫画雑誌のそれであり―――、いや、月刊だとか
ヤングだとかウルトラだとか、何種類かあるんだが。
以下略



50:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/20(木) 22:36:26.44 ID:k0nUOAQv0

「………ジャンプ、面白いか?」
女が読むなんて珍しい、と思うのは俺の偏見だろうか。

「面白いよー? あぁ、いいなあって思う」
以下略



51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/20(木) 22:53:07.50 ID:k0nUOAQv0

彼女の口元は常に笑みによって持ち上がり、瑞々しい肌と子供のような瞳を持つ………などと説明すれば聞こえはいいが、俺は彼女が、この女が少し苦手だった。
なんだろうね、いつも笑っている奴って、ちょっと気持ち悪いじゃん。
あと、趣味が女らしくない。
ジャンプとマガジンとサンデーとチャンピオンを毎週読んでいるらしい。
以下略



52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/20(木) 23:09:04.96 ID:k0nUOAQv0
自然と、コンビニに立ち寄って時間を潰すことが増えた。

「ハーゲンダッツ………」
奥村が遠くを眺めながら呟いた。
「うん? なんだって?」
以下略



53:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/20(木) 23:24:23.08 ID:k0nUOAQv0

「いや、待って―――閃いた。」

そう言ってアイスコーナーのクーラーボックスというか、冷凍食品コーナーの中からカップのアイスをひとつ取り出す。
「買ってくる」
以下略



54:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/01/13(日) 19:36:19.60 ID:VGsqMI/IO
もう続かないのかな


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