過去ログ - エルフ「……そ〜っ」 男「こらっ!」
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517:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 00:51:45.91 ID:RLjbm7yt0
……



――遠く。

荒れ果て、死体のたまり場になった場所から遠く離れた場所から未だ命のある四つの人影を眺めるモノたちがいた。
ガシャ、ガシャと甲冑が音を立てる。中には甲冑を身にまとうことなく、ボロ布一枚の格好をした者もいる。数十もの影が列を作って彷徨い歩く。初めは一。次に二。そして四と。徐々にその影は数を増やして歩いていく。
その最前列。始まりの一。全ての元凶。どのような素材で作られたかもわからぬ面を付け、口からは瘴気と思える煙を漏らしている。
古びた甲冑を身にまとい、それでいてその格好に似合わない名刀の類の輝きを見せる剣を腰に指している。その肉体は血の巡りがなくなってなお、強靭だったかつてをそのまま留めている。まるで、呪いのように。
そう、彼らは死者。この世を彷徨い歩く亡者達。死してなお、この世に身体を残し、ただ生ける者への憎しみだけを持って生まれ変わった人々の外敵。

……風が吹く。血と、腐敗を漂わせ、大地を赤く染め上げる戦乱の風が。

エルフ「……そ〜っ」男「こらっ!」 after story 戦乱の予兆 ――完――


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