過去ログ - エルフ「……そ〜っ」 男「こらっ!」
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2012/12/05(水) 00:45:12.97 ID:RLjbm7yt0
ジリジリと近づく互いの距離。獣の唸り声が夜風に乗って響き渡る。刹那、停滞を嫌った獣の一匹が群れから飛び出し三人に襲い掛かった。息をつく間も与えない速攻。狩りに特化した瞬発性、前へ前へと全身のバネを使って進んでいく。
獣側からすればこのまま為すすべもなく己の牙に肉を引き裂かれ餌となるはずの獲物たち。だが、そんな彼の期待は裏切られることになる。
騎士「遅せえよ……」
以下略
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2012/12/05(水) 00:46:09.41 ID:RLjbm7yt0
敵を前にして余裕を見せる三人。そんな彼らとは対照的に勢いよく飛び出し、その結果絶命した仲間を前にして獣たちは尻込みしていた。
どうする? どうする? この相手は普通じゃない。今まで自分たちが狩ってきた相手とは全く別の生き物だ。
彼らは気がついた、狩りをするために襲いかかった相手は己よりはるかに強大な力を持った生物で、ここでは狩りの対象は向こうではなく、むしろ自分たちが獲物なのであるということに。
騎士「おーおー。意気消沈しちまってるよ、あちらさん。このままなら自分たちの命がなくなるってことがわかるくらいには知性があるようだ」
以下略
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2012/12/05(水) 00:46:44.98 ID:RLjbm7yt0
女魔法使い「私の眠りを妨げた罪、その身をもって思い知りなさい!」ブンッ
振り下ろされた女魔法使いの手を合図に、空中に待機していた炎槍は一斉に目標めがけて飛んで行った。全力で駆ける獣たちをあざ笑うかのようにその切っ先は一瞬にして彼らの身体を貫いた。
激痛に悶える獣もいれば、衝撃に耐え切れず意識を手放し絶命した獣もいた。前者は残り数秒の命、後者は言うまでもない。
以下略
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2012/12/05(水) 00:47:20.55 ID:RLjbm7yt0
……
…
数日の旅を経て、ようやく三人は目的の場所にたどり着いた。だが、そこで彼らが見たものは想像もしていなかった光景だった。
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2012/12/05(水) 00:48:30.36 ID:RLjbm7yt0
女騎士の言葉に騎士と女魔法使いも視線を移す。その瞳は確かに人影と思わしきものが家屋の中に入っていく何かを捉えていた。
騎士「気になるな。よし、周りを警戒しながら向かってみるぞ」ザッ
騎士の言葉に二人は頷き、警戒を強めながら目的の家屋へと進んでいく。その間、彼らが見たのは先遣隊だけでなく、恐らくこの地に住んでいたと思われる人々の死体の数々。それらを視界の隅に収めながら、一抹の悲しみを抱き、その場を後にするのだった。
以下略
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2012/12/05(水) 00:48:58.92 ID:RLjbm7yt0
少女「……」
騎士「おんなの……子?」
予想外の存在の登場に驚く三人。確かに人影を見たと思っていたが、皆が考えていたのはこの事件を起こした正体不明の敵の仲間であり、外の有様から生き残っている人がいるとは予想もしていなかった。
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2012/12/05(水) 00:49:35.23 ID:RLjbm7yt0
少女の様子を見て騎士はここで何が起こったのかという情報が得られないと理解する。外の様子を見た限りでも悲惨な光景なのだ。その現場をもしこの少女が見ていたのならこのようにショックを受けてまともに話せない状況になってしまってもしかたがない。
ひとまずこの少女の保護を優先しようと騎士が判断を下し、家の外へ少女を連れ出そうと手を差し伸べた時、少女の口から小さく言葉が隠れ出ているのに騎士は気がついた。
少女「おか、あさん。おとう、さん」
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2012/12/05(水) 00:50:19.58 ID:RLjbm7yt0
少女の身体を己の胸に抱き寄せ謝罪する騎士を女騎士も女魔法使いもただ黙って見守っていた。彼女らが抱いている思いも騎士と全く同じものだったから……。
しばらく少女を抱きしめたあと、騎士は彼女を己から離し、その手を引いて外に出た。
騎士「一度他に生存者がいないか確認しよう。それから、先遣隊や人々を襲った敵の痕跡があるのなら見落とさないように。こんなこと、ただ事じゃない。恐らく軍部が総出で取り掛かる自体になる可能性が高いからな。情報は少しでも多く持ち帰れる方がいい」
以下略
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2012/12/05(水) 00:50:46.43 ID:RLjbm7yt0
女騎士「了解。それじゃあ、後で」
女魔法使い「ええ、また後で」
女騎士は生存者の捜索、女魔法使いは何か痕跡が残っていないか調査、そして騎士は少女の手を優しく握りしめてその場から動かないでいた。
以下略
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2012/12/05(水) 00:51:12.29 ID:RLjbm7yt0
それから四半刻が過ぎ、二人が騎士の元へと戻ってきた。結果は騎士の予想通り。生存者は他にいなかった。そして、僅かに期待していた敵に関する情報も何一つ手に入れることができなかった。
騎士「行こう。これ以上ここにいてもしょうがない」
そう言って少女の手を引いて都市部に向かおうとする騎士。だが、そのまま付いてくると思った少女がその場に立ち止まったままだったため、騎士は一旦足を止めた。
以下略
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