過去ログ - エルフ「……そ〜っ」 男「こらっ!」
1- 20
555:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 01:21:08.00 ID:RLjbm7yt0
エルフ「私、このままじゃ人間のことが嫌いになっちゃいます。そんなことになっちゃ駄目なのに……。
お父さんとお母さんの言っていたことを裏切る事になっちゃう。
もしそうなったら、私には本当に何もなくなっちゃいます」

己に起こった変化を恐れ、その場にしゃがみこみ、エルフは己の体を抱きしめた。だが、そんな彼女を優しく癒してくれる存在は今この場には誰もいなかったのだった……。
以下略



556:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 01:21:40.25 ID:RLjbm7yt0
……



エルフA「やっぱり言っていた通りです。あのエルフのやつ家に人間を匿ってます」
以下略



557:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 01:22:07.49 ID:RLjbm7yt0
エルフB「そんな! みすみす人間を見逃せっていうんですか? あいつらに殺された同胞はたくさんいる……」

エルフA「やめろよ! 若エルフさんには何か考えがあるんだよ。そうですよね?」

若きエルフ「ああ。君たちの気持ちもわかる。人間を前にして流行る闘争心を必死に抑えているのも……ね。
以下略



558:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 01:22:48.54 ID:RLjbm7yt0
エルフC「あいつにも手を出してはいけないんですか?」

若きエルフ「そうだよ。その理由も後で分かる。今は僕を信じてくれとしか言えないけれど……」

エルフA・B・C「……」
以下略



559:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 01:23:14.80 ID:RLjbm7yt0
若きエルフ「そうか……。みんな、ありがとう。もう少し、もう少しだ。あと少しで私たちは他の里のエルフたちと同じように人間を滅ぼすための聖戦に参加できる。
その時まで、君たちには充分に力を蓄えていてくれたまえ」ニコッ

エルフA・B・C「はい!」

以下略



560:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 01:24:51.16 ID:RLjbm7yt0
……



――数日後――
以下略



561:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 01:25:46.67 ID:RLjbm7yt0
結局、人とエルフは分かり合うことはできないのだろうかと学者は考えていた。
かつて、人とエルフが共存していたのは幻のようなもので、それが実現すること等ありえないのだろうかと。
だが、己に問いかけたその質問に返ってきた答えは否だった。
まずは自分から、一歩踏み出す。そうしなければ何も変えることなどできない。
誰かが事を起こすのを待っているだけでは、この状況はきっといつまでも変わらないだろう……。
以下略



562:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 01:26:44.19 ID:RLjbm7yt0
居間にあるテーブルを挟んで人と、エルフが向かい合っている。どこか落ち着かない様子なエルフの少女。
そんな彼女とは対照的に、人間の男の方は落ち着いた様子で話し始めた。

学者「まずは、お礼を言わせて欲しい。人の身でありながら命を救っていただいたこと、本当に感謝している。
きっと君がいなかったら私はあのまま野垂れ死にしていただろう……」
以下略



563:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 01:27:11.78 ID:RLjbm7yt0
エルフ「私には大事な、大事なお父さんとお母さんがいました。二人はずっと人と交流を持っていて、大きな戦争が始まる前から仲良くしていました。
戦争が始まっても二人は人との交流をずっとやめないで、他のエルフたちから非難されてもずっと笑顔で過ごしていました。
 何も悪いことをしていなかったのに、結局お父さんたちは裏切り者だと罵られ、里を追い出されて……。そして、最後には信じていたはずの人に……裏切られた」

学者「……」
以下略



564:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 01:27:41.15 ID:RLjbm7yt0
エルフ「そう……だと思います。理由なんてこんなものです。私は二人のためにあなたを助けたんです。
それに、裏切り者なんて烙印は私には昔からずっと押されています。あのままあなたを見捨てたところでそれが消えるわけでもありません。だったら、助けたほうがいいと思っただけです。
 どうです? 私は別に善意からあなたを助けたわけではないんです。ただ、二人のしてきたことを私自身が否定したくなくてやっただけなんですよ……」

そう呟くエルフの顔はとても悲しそうだった。
以下略



1002Res/678.92 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice