過去ログ - エルフ「……そ〜っ」 男「こらっ!」
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2012/12/07(金) 00:49:31.55 ID:HuDDvyyN0
……
…
男「うっ……うぅっ」
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2012/12/07(金) 00:49:59.48 ID:HuDDvyyN0
だんだんとその時の様子を思い出したのか、男は抱きしめられた女隊長の腕を引き離し、その場に立つ。まだ足元がおぼつかないが、それは意識がハッキリとしたばかりだからだろう。
男「いや、それよりもここは……。ねえ、女隊長。みんな、みんなはどこにいるの!?」
男の問いかけに女隊長は何も答えない。ただ、悲しい表情だけを浮かべ、下を俯くだけだった。
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2012/12/07(金) 00:50:55.90 ID:HuDDvyyN0
女隊長「男、しっかりして! 大丈夫。男の、男のせいじゃないよ」
頭を抱えてその場にしゃがみこんだ男にすぐさま駆け寄り、女隊長が彼を優しく抱きしめる。
男「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい……」
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2012/12/07(金) 00:51:35.32 ID:HuDDvyyN0
まともな精神状態ではなくなってしまった男。それを見て、再び彼の体を女隊長が抱える。
女隊長「男は私がこのまま連れて行く。行こう、女槍士」
そう言って先に進みだそうとする女隊長。だが、女槍士はその場から動こうとしなかった。
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2012/12/07(金) 00:52:25.40 ID:HuDDvyyN0
女槍士「こら、泣かない。もう、ホント昔から女隊長は泣き虫なんだから」
女隊長「だって、だってぇ。みんな、いなくなっちゃったんだよ? せっかく、楽しく過ごせてたのに、新しい居場所ができていたのに……」
女槍士「でも、それを作ったのはあなたでしょ? 女隊長が頑張って、頑張ってみんなに接してきたから私たちはこうして今まで生きて来れたんだから。
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2012/12/07(金) 00:58:16.50 ID:HuDDvyyN0
女槍士「私たちがいなくなってもまだ男がいるでしょ? なんだかんだ言っても男はまだ子供なんだから女隊長が守ってあげるのよ。それで、あと二年も経てば今度は男が女隊長を守ってくれるようになるから。
それまでは、手を出さないで仲良く二人で過ごすんだよ」
それだけ告げると女槍士は二人から身体を離した。
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2012/12/07(金) 01:46:35.91 ID:HuDDvyyN0
……
…
必死に、必死に女隊長は男を連れて駆けていた。空は赤く染まり、もうすぐ闇が訪れようとしていた。
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2012/12/07(金) 01:47:31.10 ID:HuDDvyyN0
女隊長「くっ! ううっ……」
あまりの悔しさに思わず女隊長は歯を力強く噛み締めた。あれだけ、みんなが犠牲を払ってくれたというのに見逃してくれないのか。このまま自分たちまで倒れることがあっては、一体何のために彼らは命を賭けて時間を稼いでくれたのかと女隊長は思った。
女隊長「……」
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2012/12/07(金) 01:48:11.52 ID:HuDDvyyN0
男「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
未だ謝り続ける男。だが、この時ばかりは女隊長も心を鬼にした。全てはそう、彼のために。
バシッ! と甲高い頬を叩く音が周りに響いた。女隊長が力強く男の頬を叩いたのだ。
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2012/12/07(金) 01:48:38.17 ID:HuDDvyyN0
男「なに、その命令? なんだよ、それ。なんで僕にそんな命令するの? 女隊長は? 女隊長はどうするんだよ!」
男の問いかけに女隊長は悲しそうに微笑んだ。
女隊長「私は、ここに残るよ。それが、みんなが私にしてくれてことに報いることになると思うから。
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2012/12/07(金) 01:49:05.67 ID:HuDDvyyN0
女隊長「もう、あまり我が儘言って私を困らせないで。そんなんじゃいつまで経っても子供扱いのままだよ」
男「……いいよ、いつまでも子供扱いで。だからッ!」
女隊長「子供はね、大人の言うことを素直に聞くものなの。それに、私はあなたの上官。上官の命令に部下は絶対に従わないといけないんだから」
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